ティム・バートンの創造世界の原点が詰まったストップモーションアニメがすごい!
『チャーリーとチョコレート工場』(05)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10)など、独特な世界観とイマジネーションあふれるビジュアルで、多くの人々を虜にしてきたティム・バートン監督。彼の監督最新作『フランケンウィニー』が12月15日(土)より公開される。
愛犬スパーキーを突然の事故で亡くし、悲しみにくれる少年ヴィクター。その死を受け入れられないヴィクターは、何と禁断の実験によって、スパーキーをよみがえらせてしまうのだった。それが、大騒動に発展してしまうとは露とも知らずに。
ヴィクターとスパーキーをはじめ、ヴィクターのクラスメートたちなど、個性豊かなキャラクターがスクリーンを駆け巡る冒険ファンタジーとなった本作。モノクロで描かれるその奇妙な世界観は、バートンの大ヒット作『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)や『ティム・バートンのコープスブライド』(05)でも使用されたストップモーションアニメで表現されている。
ストップモーションアニメとは、静止している物体を1コマごとに少しずつ動かして撮影し、それが連続して動いているかのように見せる撮影技術のこと。さらに本作では200以上のパペットやセットが用意され、2年もの月日をかけて撮影されたという。
また、ストーリーの原点となったのは、バートンが少年の頃に飼っていた愛犬との思い出だった。愛犬スパーキーを亡くしたヴィクターの姿は、特別な絆で結ばれた愛犬との永遠の別れを経験した、少年時代のバートンを思い起こさせる、自伝的作品ともいえる作品なのだ。
自分の子供時代を思い起こさせ、ちょっとノスタルジックな気持ちにもさせられる本作。それは温もりを感じる手作り感あふれるストップモーションアニメににあるのかもしれない。そして、それが最新テクノロジーと融合し、新たな世界観を生み出しているのも魅力だろう。是非、劇場でバートンの世界の魅力に触れてみてほしい。【トライワークス】