『アウトロー』C・マッカリー監督がトム・クルーズのキャスティング理由を語る
トム・クルーズが主演を務め、元米軍の秘密捜査官にして流れ者の男を演じる『アウトロー』(2013年2月1日公開)。本作の特報動画が公開され、監督を務めたクリストファー・マッカリーのインタビューコメントが到着した。
公開された特報動画では、茶色のレザージャケットに身を包み、身体には銃弾の痕。かつてない鋭い眼光でジャック・リーチャー(トム・クルーズ)が「俺がヒーロー?それは違う。つまりヤバいってことだ」と言い放つ。敵とみなせば、非情なまでに冷酷に立ち向かい、あらゆる手段を用いて次々となぎ倒す。そんなジャック・リーチャーの姿が映し出されている。
『ユージュアル・サスペクツ』(96)、『ワルキューレ』(09)で脚本を担当したクリストファー・マッカリー監督。『ミッション・インポッシブル』シリーズ第5作目の監督として最も有力視されている人物だ。本作について、監督は「原作を読んで、彼の考え方や流れ者といったライフスタイルにたちまちほれてしまったんだ。僕はクラシックなウェスタン映画が大好きで、ジャック・リーチャーにはそういったウェスタン映画の、正義を愛する流れ者のヒーローに通じるものを感じた。彼は現代の男ではあるが、全くのアンチテクノロジーなんだ。携帯電話やクレジットカード、身分証すら持たない。ただし、完全なる現実的な思考と物事の真実性を見極める頭脳、そして鍛錬に鍛錬を重ねた強靭な肉体を兼ね備えている。僕個人は現代テクノロジーの大ファンでパソコンやiPhoneに夢中だが、ジャック・リーチャーのキャラクターにほれてしまった。彼は本当の自由を欲することに徹しているんだ。それには鍛錬が必要だ。彼にとってもそれを維持するのは簡単なことじゃない。しかし、そういった彼のライフスタイルが大好きになったよ」と語る。
さらに、トム・クルーズのキャスティング理由について、「原作に登場するジャック・リーチャーと身体的な面で合致するような俳優をキャスティングするのは不可能だとわかっていた。ジャック・リーチャーというキャラクターは必要以上に自分を魅力的に見せようとしない。だから、もともと人間的な魅力を持っている俳優でなければならない。そして、長い会話のシーンをよどみなくこなし、さらに自らの中で完全に掌握していることを観客が信じてしまうような雄弁さを持っていなければならない。プロデューサーのドン・グレンジャーと、そういったことを何項目もリスト化して、その横に誰が見合うか数人をランク付けしていったんだ。結果、トムは私たちの作った全ての項目でコンスタントにランクインしていたんだ。原作のジャック・リーチャーの体格とトム・クルーズのそれでは違いがあるといった声も出ていたが、完成した映画を見て、そのことに言及する人はいなくなったよ。トムは史上最大の映画スターである前に、素晴らしい集中力と一切の妥協を許さない俳優なんだ」と明かした。
トム・クルーズの他、ロザムンド・パイク、ロバート・デュバル、リチャード・ジェンキンス、アレクシア・ファスト、ヴェルナー・ヘルツォーク(監督ではなく俳優として!)らが出演する『アウトロー』は2013年2月1日(金)より全国公開。【Movie Walker】