『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のJ.J.エイブラムス「このタイトルに重要な意味がある。ナンバリングやコロンは嫌い(笑)」
12月4日、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(全米2013年5月17日、日本2013年9月公開)の世界最速フッテージ上映終了後、場所をザ・リッツカールトン東京に移し、一部のWEB媒体向けにミニ記者会見が開かれた。J.J.エイブラムス監督、クリス・パイン、ベネディクト・カンバーバッチが出席し、作品に関する質問に答えた。そこで2部に分け、ほぼ書き起こしでインタビュー内容を紹介しよう。
――二度目の来日ですが、日本の印象を聞かせてください
クリス・パイン「通常、来日というと、ぱっと来て、ぱっと帰るのが普通なのです。だからもう少し自由な時間があると良いなと思いますが、まず今回は最初の2時間、美味しいラーメン店を探しました。そして非常に美味しいところが見つかり、満足のいくラーメンをしっかり食べて、AWESOME!あと、生ビールも美味しかった!それから、ホテルの部屋から外を見ることが多いのですが、街のパノラマがすごいなあと。昔見た『ブレードランナー』(82)のような雰囲気を醸し出しているかのようで感心します。それから日本の文化に触れて、人々の礼儀正しさとか、建築物の美しさとかに感嘆させられますね」
――なぜ東京を世界最速上映の地に選んだのですか?
J.J.エイブラムス「とにかく日本が大好きです。そして何かこのような機会があれば、すぐにそのチャンスに飛びついて、今回是非にとばかりに日本にやって来ました。子供も何度も日本に連れて来たことがあるし、東京は私の大好きな都市です。寺院や神社があったり、近代的な建物があったり、レストランや美術館があったり、そして日本の食べ物が大好きです。日本の文化に触れていると、私はあたかも家にいるかのように感じるし、とても良い気持ちになれます。同時に何かインスピレーションを受ける、アイデアが浮かぶような場所なのです。なので、こうして日本にやって来て、皆さんに映画の話ができるのを大変楽しみにしていました」
――初来日ですが、日本の印象はいかがでしょうか?
ベネディクト・カンバーバッチ「空港での大歓迎を受けて、全くそういったことを予想していなかったので大変感激しました。そして監督が仰ったように、私も日本から色々なインスピレーションを受けています。音楽、美術、芸術、歌舞伎、舞台、また日本食などですね。イギリス、アメリカなどにも日本食はありますが、昨晩はそれらと比べものにならない本当に美味しい日本食を堪能しました。日本は古いものと新しいもの、その伝統が混ざっているところがとても素晴らしく、魅了されています。先程、クリスも言っていたホテルの窓からの景色ですが、私も一日中、見ていても飽きないほど素晴らしく、目にも美しい光景だと思います。そして過去2年間、日本の皆さんは強さというものを見せてくれていると思います。ちょうど当時、私は『フランケンシュタイン』という舞台に立っており、ニュースで日本の震災と津波のことを聞いて、遠くの国のことではありましたが、今回この日本に来ることでとても身近に感じる国になりました。また、あれだけの災害を受けながら、日本の皆さんの見せた強い姿勢に対して、世界中の人々が影響を受けているのではないかと考えています」
――既に撮影を終えて、現在はポストプロダクションに入っているのでしょうか?
J.J.エイブラムス「(クリスに確認する)5月だよね?そう、撮影自体は5月末に終わって、今はポストプロダクション中になっているはずですが、これぐらいの規模の映画になると、継続してディレクションが必要なのでそれを行っています。ビジュアルエフェクトなどもあるし、なのでポストプロダクション中ではありますが、あたかも撮影が続いているような形で製作が続いています」
――タイトルが『スター・トレック2』ではなく、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』にした理由を聞かせてください
J.J.エイブラムス「タイトル自体が非常に重要なものだと考えています。まず数字をつけることは避けたかった。ナンバリングするつもりもないし、意図することでもありませんでした。また、コロンをつけるのは私が嫌いだからです(笑)。タイトルは映画そのものの世界観を描いているということもあるし、キャラクターが今回は非常にダークな世界に連れて行かれるということも表しているので、フレーズ的にも面白いと思いました。また、映画としてロマンティックなところやスリリングなアクション、エンターテインメント性の深いものを醸し出しているわけで、日本は過去2年間、非常に苦しい目にあったわけですが、本作のキャラクターたちがそんな過酷な試練にさらされるということについて、見ている方どなたでも共感できるのではないかと思います。このタイトルを見ていただければ、人間がチャレンジングな環境に置かれた時、どうなるのか。今回の場合はクリスですが、極限の状況下で生き残ろうとするか、特にベネディクトが演じている悪者がいるところで、どこまで自分を追いやることができるのか、ということを表しているので、このようなタイトルにしました」
<続く>