クリステン・スチュワートが語る恋愛観「女性は男性に対して直感的に動くことができるもの」
世界中の人々を魅了してきたラブストーリーの完結編『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2』が、いよいよ12月28日(金)より公開となる。人間の少女とヴァンパイアとの禁断の恋、オオカミ族の青年が加わった三角関係など、女性のハートを鷲づかみにするポイント満載の本シリーズ。多くの女性が、クリステン・スチュワート演じるベラに心を寄せ、彼女の成長を見守ってきたことだろう。そして成長を遂げたのは、ベラだけではない。クリステン自身も本シリーズにより翼を得て、世界へと羽ばたいた。「全てのキャラクターが心に留まっている。そして途轍もなく、たくさんのチャレンジを経験したわ」とクールな笑顔を見せたクリステン。シリーズをたっぷりと振り返ってもらった。
2005年に無名の主婦、ステファニー・メイヤーが発表した原作は、既に売り上げ1億冊を突破。映画化された4作のシリーズ興行収入は25億ドルにも上るなど、メガヒットを記録している。新しい愛との出会い、喪失、結婚や出産への挑戦など、愛の喜びと葛藤を描き出してきた。ベラは、数々の問題に直面しながら、本当の愛にたどり着く。シリーズを撮り終えた今、ベラの歩んできた道のりをどのように感じているのだろう。「ベラが何かを決断しなければいけない時というのは、その状況が何なのかをきちんと理解できる前に、決断しなければいけないことが多くて。だから、『ベラって猪突猛進で、すぐに気が変わる』って、ベラのことを悪く言う人もいるのよ。でも女性って、男性に対して、頭で考えるよりも、自分の気持ちや感性というものを信じて、直感的に動くことができるものよね。彼女はまさにそういう女性。そして、それがもしうまくいかなくても、くよくよすることなく、『今、私はこういう決断ができるんだ』って、真っ直ぐに考えられるのがベラだと思う」。
前作のラストで、命がけで娘を出産。ヴァンパイアとして覚醒した瞬間にエンドロールを迎えた。気になる完結編は、家族を守ることがテーマとなる。「ベラは気持ちがこぼれそうな時も、向上心を失わなかったわ。今回の完結編で一番嬉しいのは、彼女の思っていたことが全て、『だからこうだったんだ!』ってわかることなの。ベラは今回、周りの人にも『ほら、言ったでしょう?』って堂々と言えるわね(笑)。彼女はまだ若いけれど、母になり、ヴァンパイアたちのリーダー的存在にもなる。それは彼女に先見の明があって、自分の直感を信じる力があったからこそ、たどり着いた場所なの」。
シリーズにおいて、壮絶な出産シーンも印象深いが、出産を経て登場する、“母=ベラ”は、驚くほど凛とした輝きを放っている。「ベラは若いけれど、短い間にたくさんの人生経験を積んできたわ。彼女は、『出産をする』という時になって初めて、自分が誰であるかというものを理解できたんだと思うの。若くして母親になる女性の多くがそうだと思う。完結編のベラは、子猫を守る母猫のような強さを持っている。母になり、子供を産んだことで、『家族を守らなければ』という気持ちが強く芽生えたのね。演じていてとても楽しかったし、うまく言葉では表現できないけれど、とても共感したのよ」。
また、娘のレネズミ役を演じたマッケンジー・フォイについて尋ねると、「彼女は頭も良いし、素晴らしい女優よ」と話す。続けて、「私も子役だったので、心配になって、『勉強は大丈夫?食べた?ちゃんと寝てる?』なんて質問攻めにするんだけど(笑)。彼女はいつも『大丈夫』って、さらりと答えるわ。子役って、目立ちたがり屋さんが多いけど、マッケンジーはそうじゃないの。『役者をやりたいんだ』という気持ちをしっかりと持っているのよ。それにね、彼女ったら、ロバートのことを『ミスター・ロブ』って呼ぶの(笑)。大人っぽくね。とっても可愛かったわ」と優しく微笑んだ。
シリーズを経て、一流ファッショニスタにも変身したクリステン。ファッションにもベラの成長が映し出されているという。「最初はとにかく、ベラはダサめの女の子だったのよね。でも、そのシンプルなスタイルを変えずに、彼女自身が変わることで、だんだんと服を着こなせるようになっていったの。今回、何といっても楽しかったのは、ヴァンパイアになった後のワードローブを選ぶこと。カレン家は、皆ファッショニスタたちだから、彼らから影響を受けたベラは、黒っぽいクールな格好にもチャレンジしているわ。今回は大バトルが繰り広げられるんだけれど、そこでは皆、おそろいのコーデを身につけているの。これはちょっと注目よ」。
最後に「ヴァンパイアとして覚醒したベラが行う、最初の狩りのシーンは、原作を読んだ時に一番面白いと思ったシーンよ。初めて新車に乗ってみた時のように、『どれくらいスピードが出るんだろう』って、自分を試してみるの。そして覚醒したベラは、実はエドワードより強いのよ。最高でしょ?」と、完結編の見どころを教えてくれた。堂々と丁寧に、そして愛情を込めてシリーズを語ってくれたクリステン。大きなシリーズで得た、たくさんの経験とチャレンジが自信となり、彼女を強くしたのだろう。その佇まいは、ハリウッドのど真ん中で活躍していく貫禄にあふれ、頼もしくすらある。是非、本作でクリステン・スチュワートの輝き、そしてベラの恋の結末を見届けてほしい。【取材・文/成田おり枝】