『舟を編む』松田龍平&石井裕也監督コンビ「宮崎あおいはすごく良い人」
2012年本屋大賞第1位となった三浦しをんの小説を映画化した『舟を編む』(4月13日公開)のトークショーが、2月13日にApple Store Ginzaで開催。「Meet the Filmmaker」と題したイベントで、石井裕也監督と、主人公・馬締光也役を演じた松田龍平が登壇した。本作で初タッグを組んだふたりは、29歳の同い年。松田は「石井さんは自分がやりたいことのイメージがしっかりしている」と感想を述べた。
松田はさらに石井監督との現場についてこう語った。「石井さんのイメージがする馬締と、僕がイメージする馬締とを、擦り合わせていくことが、楽しくもあり大変でもありました。でも、演じるうえで、僕発信の馬締で終わると小さくなってしまう。石井さんからの目線で演出してくれたことにより、すごく広がりました」。石井も「松田さんの意見もリスペクトしましたし、やりたいこともなるべく聞くようにしました。そういうやりとりが楽しかったです」。
その後、来場者からの質問も受け付けたが、そのなかで、松田と共演した宮崎あおいのファンだと名乗る観客から、宮崎についての印象を尋ねられたふたり。監督は「めちゃくちゃ良い人です」と2回繰り返した。松田は「あんまり自分からは発さない人。でも、話すと変な玉を投げてもちゃんと返してくれる良い人です。また、馬締は宮崎さん演じる香具矢に一目ぼれをするんです。本では想像できなかったけど、やっぱり宮崎さんは素敵な人で、ああ、こんな感じかと思いました」と笑顔で応えた。
『舟を編む』は、15年の歳月をかけ、24万語収録の一冊の辞書を作り上げる青年と、個性豊かな辞書編集部の仲間たちの姿を描いた物語。石井監督は「辞書作りの映画ですが、辞書を作る人間たちの苦悩とか喜びを描いたドラマになっているので、きっと楽しんでいただけると思います」と話すと、松田も「言葉は人によっては見る角度が違うので、そういうのも楽しんでほしい」と最後を締めくくった。【取材・文/山崎伸子】