イラン政府が『アルゴ』を提訴?ハリウッドへの挑戦か

映画ニュース

イラン政府が『アルゴ』を提訴?ハリウッドへの挑戦か

本年度のアカデミー賞で作品賞を受賞した『アルゴ』(12)を、イランが提訴する構えだと英国SKYニュースが伝えている。

同作の監督、ベン・アフレックは、なるべくニュートラルな立場から現実に起きた事件を映画化しようと務めたと言われているが、イラン政府は、同作のイランの描写は現実とはかけ離れており、イランの国としての印象にダメージを及ぼすと主張しているという。

テロリストのカルロス・ザ・ジャッカルの弁護を担当したことで有名なフランス人女性弁護士が、すでにイラン政府と話し合いを始めたそうで、いつ、誰を相手に訴訟を起こすか検討中であると、イランのメディアは伝えているらしい。

イラン米国大使館人質事件を基に製作された『アルゴ』は、映画の製作を装ったCIA局員が、テヘランから6人の米外交官を救出するというストーリー。同作がアカデミー賞で作品賞を受賞した時には、イランからは、「アンチ・イラン的なCIAの宣伝映画」という批判の声が出ていた。イラン国内では、『アルゴ』は公開されていないが、多くの人々が海賊版のDVDを手に入れているという。

しかし、すべてのイラン国民が『アルゴ』に批判的というわけではなく、イランの新聞The Hamshahriは、「米国とイランの関係が崩壊する原因になった事件を、別の視点から描いた作品」と評価し、「すべての国民が見ることを許されるべきだ」と書いているという。【UK在住/ブレイディみかこ】

作品情報へ