驚異の確率!本屋大賞受賞作に映画化作品が多いワケは?

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驚異の確率!本屋大賞受賞作に映画化作品が多いワケは?

4月9日、2013年の本屋大賞が発表された。百田尚樹の大賞受賞作「海賊とよばれた男」など、本年度の受賞結果が話題を呼んでいるが、映画ファンが注目したいのは本屋大賞作品の映画化率。今年で10回目となる本屋大賞を受賞した過去9作品のうち、実に8作品が映画化(1作品はテレビドラマ化)されているのだ。

ちなみに本屋大賞とは、新刊書の書店員有志で組織された本屋大賞実行委員会が運営する、2004年から新設された文学賞。作家や評論家らが選考する他の文学賞と違い、「自店で売りたい」「お客に薦めたい」という観点のもと、書店員の選考・投票によって決定されている。つまり、あくまで読者目線で“売れるか否か”が見極められているという点がポイントだ。

本屋大賞受賞作に映画化作品が多い要因は、その売れるか否かで振り分けられた作品群であることが大きい。売り場でお客と直に接している書店員ゆえに、「読者が今、求めているテーマや世界観」を敏感に感じ取り、売れる(=万人に愛される)ポテンシャルの高い小説が選出されるのだろう。その普遍的なポピュラリティーこそ、映画の命である企画に必要不可欠なもの。過去には、小川洋子の「博士の愛した数式」(2004年度大賞)やリリー・フランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2006年度大賞)、湊かなえの「告白」(2009年度大賞)、冲方丁の「天地明察」(2010年度大賞)などがあり、今なお原作ともども記憶に刻まれた映画作品が多いのが特徴だ。

そして、この本屋大賞が発表されたこの絶好のタイミングで、2012年の大賞受賞作品の映画化『舟を編む』が4月13日(土)より公開に。辞書作りに奔走する編集部員たちの姿が描かれており、原作者・三浦しをんの“日本語”への敬愛ぶりが窺えるとして、読書ファンから絶大な支持を集めた一冊だ。4月9日の本屋大賞発表会にもプレゼンターとして登壇した彼女は、本年度の受賞者・百田に対して「書店員さんとの楽しい交流の一年をお楽しみください」と声をかけていたのが印象的だった。また2011年度の大賞作品も、テレビドラマ化につづき、櫻井翔&北川景子主演の映画版『謎解きはディナーのあとで』として8月3日(土)より公開予定となっている。

最後になるが、本年度の大賞作品「海賊とよばれた男」は果たして映画化されるのだろうか? これまでにも2009年度本屋大賞で5位に選出された「ボックス!」や、2010年に発表した「モンスター」(同名の映画版は4月27日公開)が映画化されている百田作品。映画化権の行方が気になるところだが、百田尚樹が7年前に発表したデビュー小説「永遠の0」は映画化が進行中。岡田准一主演×山崎貴監督のコンビで、12月に公開が控えているので、まずはそちらを心待ちにしたい。【トライワークス】

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