亀梨が1人33役を演じる異色作、イタリアの映画祭で上映決定!
星野智幸の同名小説を三木聡監督が亀梨和也主演で映画化した『俺俺』(5月25日公開)。本作がイタリア北東部の都市ウーディネで開催される第15回ファー・イースト映画祭で上映されることが決まった。
本作は、俺の増殖という奇想天外なストーリーでありながら、周囲がみんな自分だったら楽なのにと、一度は感じたことのある現代だからこその共感を呼ぶ一本。一人で33役を演じた亀梨は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公の均に扮した。均の前に同じ顔の俺が現れ、好みも考え方も全く同じ俺が集まる心地良い居場所を見つけた均だったが、やがて世の中に増殖した俺の削除が始まっていく。
東アジアや東南アジアに特化しているファー・イースト映画祭。ヨーロッパの映画祭の中で、日本映画の存在感が大きいことで知られ、2009年には『おくりびと』(08)が観客賞を受賞、2012年には『テルマエ・ロマエ』(12)がワールドプレミアを行い、日本映画がより注目される映画祭になっている。
初の主演映画が初めて海外映画祭で上映されることになった亀梨は、「今回、ファー・イースト映画祭で上映されることになり、大変光栄に思います。海外の方たちにもたくさん見ていただいて、世界中に俺を増殖してもらえたら嬉しいです」と喜びを語った。本映画祭ではこれまで、三木聡特集として『イン・ザ・プール』(05)、『図鑑に載ってない虫』(07)、『転々』(07)の3作品を上映したことがあり、今回で4作品目の上映決定となった三木監督。日本公開よりも一足早く上映されることについて、「今からわくわくしております」と心境を明かし、「普通の見方で楽しむ映画とは少し違うと思いますが、ご自身で楽しみ方を発見していただければ映画を創ったものとして、これ以上の喜びはありません。今そこにあるリアルとは少し違った、日常の裂け目に見える、多分“亜リアル”みたいなものが映画の中にあるはずです」と紹介した。
自分が自分であることの証の見つけ方、人はいかにして他者と向き合えば良いのかという現代的で普遍的な問いが描かれた本作が、どのように評価され、受け入れられるのか?第15回ファー・イースト映画祭は4月19日(金)から27日(土)まで開催され、他の日本作品としては『横道世之介』(公開中)、『新しい靴を買わなくちゃ』(12)、『みなさん、さようなら』(公開中)の公開が決定している。【Movie Walker】