ニャンともブサかわなフランスのネコの正体とは
2012年度の栄冠は『メリダとおそろしの森』(12)に輝いたアカデミー長編アニメーション賞。ジョニー・デップがカメレオンのボイスキャストを務めて話題を集めた『ランゴ』(11)が同賞に輝いた1年前、『長ぐつをはいたネコ』(11)と共にノミネートされたフランス発のネコ映画が『パリ猫ディノの夜』(公開中)だ。
昼は飼い猫、夜は盗賊の相棒という二重生活を送るネコ(♂)のディノが主人公。ある日、父親を殺害されて失語症になった飼い主の少女ゾエのもとに、ディノがある戦利品を持って来たことから、彼女はギャング絡みの事件に巻き込まれてしまう。
味わいのある独特なタッチで描かれた決してカワイイとは言えない登場人物たちは、なかなかのインパクト。とりわけディノは、“泣く子も黙るコワモテ猫”という触れ込みに相応しいブサかわいさ!劇中にはそんな凛とした強さを感じさせるディノの目が捉えた街並み、エッフェル塔やノートルダム寺院、ガーゴイルといったパリの名所が次々と登場する。色鮮やかな日中の描写も楽しいが、暗闇に浮かび上がる幻想的なパリの夜景こそ見ものなのだ。
ちょっぴりノスタルジックな映像に、ビリー・ホリデイの「月に願いを」などのジャジーなナンバーが彩りを添える大人も楽しめる小粋な一作。ブサかわいいディノと一緒に、ひと味違う夜のパリ観光と洒落込んでみては?【トライワークス】
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