三池崇史監督が凶悪犯役の藤原竜也に「あれは演技じゃない、素の藤原竜也!」
サスペンスアクション『藁の楯 わらのたて』の公開記念舞台挨拶が4月27日に丸の内ピカデリーで開催。大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、伊武雅刀、永山絢斗、そして三池崇史監督が登壇した。先日、第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ公式に選出されることも決定したばかりの本作。大沢は「スタッフ、キャストがプロとしての挑戦をかけて作った作品です」と力強く挨拶した。
殺人鬼を殺したら10億円を支払うという新聞広告に殺気立つ人々と、彼を警視庁まで移送する任務を受けたSPの息詰まる攻防戦が描かれる本作。大沢、松嶋ともに三池作品は初参加となった。大沢は「去年の夏、平均35度くらいの暑さのなかで撮影をした。良い意味での緊張感があって、皆で作品と格闘しているような日々だった」と撮影を振り返った。上昇志向が強い女性SPを演じた松嶋は「SPに見えるよう努力した。拳銃の構え方や身のこなしはすぐに身につくものではないので、長時間かけてトレーニングをした」と新境地に挑んだ役作りについて教えてくれた。
日本中から命を狙われる凶悪犯・清丸役を演じたのが、藤原だ。藤原が「難しい役だったけれど、このメンバーと三池監督とご一緒できることが楽しみで、期待して現場に行った」と充実の表情を見せると、三池監督が「あれは演技じゃないんですよ。割と素なんです」と藤原をいじり、会場は笑いの渦に。続けて「みんな他人と違う自分を隠して生きているはず。そこを役者として、清丸役に結び付けてくれた」と藤原への信頼感を吐露していた。
凶悪犯の移送シーンでは、大掛かりなロケが行われた本作。三池監督は「清丸を移送するとなると、あれくらいのスケールが必要になる。日本には撮影用のパトカーって15台くらいしかない。だから足りない分は、白い車に色を塗ってパトカーにして。警察オタクの人が見たら、ニヤっとするのでは」とコメント。大沢演じる銘苅と藤原演じる清丸の対決シーンも、実に見応えがあるが、「僕はスタートと声をかけただけで、大沢さんがガッと進めてくれた。ライブであの場にいられて幸せだった。映画を作る喜びを再確認できた」と大沢と藤原に感謝の言葉を述べていた。【取材・文/成田おり枝】