新しいスターは誕生するか?まもなくカンヌ到着
いよいよ現地5月15日(水)から始まる第66回カンヌ国際映画祭。カンヌに向けてひた走るTGVの窓から地中海が見えてきた。
スティーヴン・スピルバーグ審査員長の下、やっと決まったコンペティション審査員のなかに、日本人監督として初めて河瀬直美が入った。カンヌは自らが発見して育て上げた監督を大事にするが、今回の審査員団にはスピルバーグをはじめとして、そんなカンヌっ子が顔をそろえている。カンヌをきっかけに映画界に認められた彼らは、アート系だけでなく、スピルバーグのようにエンターテインメント系にも進出している。たとえば、クエンティン・タランティーノやスティーブン・ソダーバーグ、最近で言えばニコラス・ウィンディング・レフンなど、映画はアートであり、エンターテインメントであることを証明するような作家たちをカンヌは次々と生み出しているのだ。
いわば、カンヌ国際映画祭とは“映画作家の養成学校としての映画祭”なのである。
そんなカンヌっ子に新しく加わる人材が出るのか、または先輩たちが意地を見せて頑張るのか。ラインアップを見ながらわくわくしている。欧米だけでなく、アジア、アフリカ、中東、南米と広く集められた作品がジャーナリストたちを待っている。8時30分から翌2時まで見続けても、100本を超える上映作品を全て見ることはできない。それでも、新しいスター誕生の瞬間を見届けるため、少しでもたくさんの作品を見ようとして、ジャーナリストたちはカンヌの街を駆け回る。【シネマアナリスト/まつかわゆま】
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