スピルバーグとルーカスが映画業界の崩壊を予言!
映画界の二大巨匠スティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが、サザンカリフォルニア大学に新設されたメディアセンターのオープニングでスピーチを行い、ハリウッドの崩壊を予言する発言を行った。
英紙ガーディアンによれば、スピルバーグは「業界はブロックバスター映画に頼り過ぎている。2億5000万ドルもの予算を注ぎ込んだ映画が何本か興行的に大失敗すれば、それだけで業界のシステムは崩壊するだろう」と指摘し、「今後、映画のチケットの値段は二極化する。『アイアンマン』シリーズの次回作のチケットは25ドルになり、『リンカーン』のような映画のチケットは恐らく7ドル程度になる」と語ったという。また、ブロックバスター映画以外の作品を劇場公開するのは、ここ5年程で至難の業になっているそうで、第85回アカデミー賞で最多ノミネートを獲得した『リンカーン』でさえ、ドラマとしてテレビ放映される寸前だったという。
ルーカスも自らがプロデュースした作品『Red Tails』(12)を劇場公開することに苦労した例を挙げ、「スティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスでさえ、作品を公開してくれる映画館がないんだ!」と語り、「将来的には、『リンカーン』のような作品は映画館ではなく、テレビで見るものになるだろう」と予言した。
また、ルーカスは映画館の劇場化が進むと予測しており、映画館ではロングラン(最長一年まで)上映の少数の作品が上映され、チケットの値段もブロードウェイのミュージカルばりに高騰するだろうという。「ブロックバスター映画が巨大な劇場で公開され、映画は高価な娯楽になる。低予算の作品は全てテレビ公開になる」とルーカスは話している。【UK在住/ブレイディみかこ】
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