宮崎駿監督が「自分の映画で初めて泣いた」ことにユーミンと庵野秀明もびっくり!
宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』(08)以来5年ぶりの監督作『風立ちぬ』(7月20日公開)の完成報告会見が、6月24日にスタジオジブリで開催。原作・脚本・監督の宮崎駿、主人公の声優を務めた庵野秀明、主題歌「ひこうき雲」を手掛けた松任谷由実という豪華メンバーが顔を揃え、MCを中山秀征が務めた。宮崎駿監督は完成した映画を見て泣いたそうで「みっともないです」と恐縮していた。
宮崎監督が自分の作品を見て涙をしたのは初めてだったそうで、「情けない」と苦笑い。庵野も「号泣してました。宮さん、泣くんだ!と思って、僕はそれを見れて幸せでした」とコメント。松任谷も宮崎の感涙について「わあ、うらやましいなと。重みがありますね」と感動し、映画の感想について「我慢しても嗚咽が出てしまいました。素晴らしい作品に参加させていただき、本当に嬉しいです」と語った。
宮崎監督は庵野を「現代で一番傷つきながら生きている人」ということで主人公に抜擢したそうで「庵野に声をやってもらって本当に良かった」と感無量の様子。MCの中山秀征と、松任谷は「初夜のシーンがすごく良かった」と語ると、庵野は「自分はこんな感じだったと思い出しながらやってました。ラブシーンは恥ずかしいです。嫁に見せられない」と照れていた。
庵野は、『風の谷のナウシカ』(84)のクライマックスの巨神兵の原画を担当して以来、ずっと親交があったが、彼にとって宮崎監督とはどういう存在なのか?「宮さんには、いろいろと教えていただいた。それが僕にとって全てです。超える超えないとかは別として、アニメーションは、映画とは、こういうふうに作るんだという見本を示してくれた人。師匠です」と力強く語った。
『風立ちぬ』は、零戦の設計者・堀越二郎と文学者・堀辰雄という、同時代に生きた実在の2人の人物を融合させた青年技師“二郎”の半生を描く物語。声優は、庵野秀明の他、ヒロイン役の瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎、スティーブン・アルパート(元スタジオジブリ取締役)ら豪華な布陣となった。【取材・文/山崎伸子】