真木よう子、大喜び!「ふたつの作品で賞をいただくのは、信じられないほど光栄なこと」
第35回モスクワ映画祭コンペティション部門の審査員特別賞を受賞した『さよなら渓谷』(公開中)の大ヒット舞台挨拶が、7月24日に有楽町スバル座で開催。主演の真木よう子と大西信満が登壇し、トロフィーを披露。真木にとっては、同賞を受賞後、初の舞台挨拶となった。真木は「撮影の時は本当に苦労したので、それが認められたって喜びはハンパなかった」と喜びをかみしめた。
モスクワ映画祭は、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアと並ぶ世界四大映画祭のひとつで、審査員特別賞は最優秀作品賞に次ぐ賞。受賞後、映画は大ヒットし、公開時は13館だったが、いまは100館を目指して拡大公開中だと言う。
真木は、是枝裕和監督作『そして父になる』(9月28日公開)で第66回カンヌ映画祭へ行き、同作でも同映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞したので「ふたつの作品で賞をいただくのは、信じられないほど光栄なこと」と大喜び。「そういう作品に携われたことは、本当に誇らしいですし、これからの女優の仕事の自信にもつながりました」。大西も「コンペ部門は特別なもの。作品賞に次ぐ2番目の賞をいただいたことがものすごく嬉しいし、多くの方に見てもらえる機会が増えたってことが何よりも嬉しい」とコメント。
真木は、さらに本作への思いをこう表現した。「まるで去年の夏、かなことして過ごした時間が、自分の過去みたいになっています。そういう作品はなかなかない。それだけで貴重です。大森(立嗣)監督のチームがすごく良かったので、大西さんも含めて素晴らしい出会いだったと、これからも思い続けていくと思います」。大西も「たとえこの先10年間、真木さんと共演する機会がなくても、一瞬で戻れるような人間関係が築けました。そういう得がたい現場で、スタッフも含めてこの出会いは、自分の財産になると確信しています」と熱く語った。
『さよなら渓谷』は「悪人」の吉田修一の同名小説の映画化で、ある残酷な事件の被害者と加害者の複雑な思いが絡み合う濃厚な人間ドラマだ。『まほろ駅前多田便利軒』(11)の大森立嗣監督がメガホンを撮り、真木は『ベロニカは死ぬことにした』(06)以来、7年ぶりに単独主演を務めた。【取材・文/山崎伸子】