満島ひかり、綾野剛と浴衣姿で登壇「現場ではもがいていました」

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満島ひかり、綾野剛と浴衣姿で登壇「現場ではもがいていました」

瀬戸内寂聴の私小説の映画化『夏の終り』(8月31日公開)の完成披露試写会が8月14日にイイノホールで開催。満島ひかり、綾野剛、小林薫、熊切和嘉監督が、劇中に登場する型染めの浴衣で、舞台挨拶に登壇した。満島は本作について「複雑な女心がたくさん繊細に映っていると思います」と、力を込めてアピールした。

満島が演じるのは、妻子ある年上の男性作家と、年下の男性との三角関係におぼれる主人公・知子役。満島は知子役が決まる前に台本を読んだと言う。「自分とは関係ない大人の話だと思って読みました。実際は20代後半なので、30代半ばという説明しがたい難しい年齢をどうできるかなと。でも、熊切監督がとても素敵な方で、一緒に映画を作りたいということで、見切り発車してしまいました」。熊切監督はそれを聞いて「嬉しいです」とはにかんだ。

綾野は「すごい現場で。ぐちゃってしてました。また、監督がとても素敵なややこしい人だったので」と苦笑いすると、熊切監督は「難しい題材だったと思うので、僕も探りながらやりました。(綾野は)おそらく、のたうち回って演じてくれたんじゃないかなと」と振り返った。小林は「本妻がいながら、愛人がいる。男の憧れみたいなところがありますから、楽しんでやりました」とお茶目に語った。

満島は、知子役について「目の前にある悶々としたものを、壊すことも崩すことも吐き出すこともできない、女性ならではの生きづらさが多少映っている作品かなと。現場でも、もがいていました。はっきりしたものがつかめないまま前に進んでいた感じはありますが、私は良い作品だと思っています」。

原作は、瀬戸内寂聴が自身の体験を基に描き、女流文学賞を受賞した100万部を超えるロングセラー小説。満島ひかり、綾野剛、小林薫がエモーショナルに激しい愛を体現し、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』(12)など、骨太な作品を手掛けてきた熊切監督が初めて挑んだ大人のラブストーリーという点にも注目したい。【取材・文/山崎伸子】

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