鞭を手にした壇蜜の表情が一変!?「臨界点を越えて楽になった」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
鞭を手にした壇蜜の表情が一変!?「臨界点を越えて楽になった」

インタビュー

鞭を手にした壇蜜の表情が一変!?「臨界点を越えて楽になった」

最近では、人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)に出演するなど、すっかりお茶の間にも名前が浸透した壇蜜。そんな彼女が『私の奴隷になりなさい』(12)に続き主演を務めた『甘い鞭』が9月21日(土)より公開。多忙を極める彼女が、本作について語ってくれた。

壇蜜が演じるのは、高校時代に拉致監禁され、1ヶ月にわたり弄ばれたトラウマを持つヒロイン・奈緒子。この奈緒子という役について、「何かに捉われている闇の部分や、自分が望んでもいないのに味わった辛い感情をずっと引きずってしまう女性」と分析する壇蜜。「(奈緒子を)『なんとかしてあげたい』という気持ちが最初に浮んできました。出せるものなら手を、手伝えるものなら何か助けを…という。闇の部分が勝ってしまった奈緒子の人生に対し、自分なりに一筋の光を表現できたら」と、彼女自身も複雑な心境のなか、この難役に挑んだことを明かしてくれた。

「私と奈緒子という2人の人間のドキュメントがそのまま映画の中に入っている気がしていますね。だから演技やお芝居ではなく、とてもノンフィクションな香りが自分の中ではするんです」と語るほど、壇蜜は“虚”と“実”が揺らぐほど役にのめり込んでいたよう。「実は演じていた20日間あまりの撮影期間の記憶があんまりなくて、それはきっと映画の中に自分がしっかりと入っていたからで、100%に近い形で本物の奈緒子として生きていられたからだと思います」と役作りに対する自信をのぞかせた。

奈緒子は、昼は不妊治療専門の医者、夜はSMクラブのM嬢という2つの顔を持つキャラクター。M嬢であるはずの壇蜜が鞭を手にした瞬間、その表情が劇的に変化する一幕は、本作の見どころのひとつ。「昔から、相手に何か危害を加えることがすごく苦手なんです。ですからこのシーンを思うと、そんなことできない!恐い!という気持ちが風船のように膨らんでいったんですが、実際に撮影が始まると、膨らんだ風船から空気がどんどん抜けていって。そうなったら、後は新しいものを吹き込むだけ。臨界点を越えて楽になったというインパクトはありました」。

劇中、物語の重要なファクターとしてSMプレイだけでなく、ふんどし姿やM字開脚などを披露している。この過激なシーンについても「必要であるからこそ描写されたものだと思っていたので、それは見せ場の一つとして捉えていました」と、あくまで冷静。「恥ずかしいと思う気持ちも少なからずはあったと思うんですけど、打ち消すことで得るものもあるし、時々感じることで得るものもある。そこで起きているハプニングに対して身を任せる気持ちの方が強かった」とここでも自然体を崩さない。

官能的な描写に体当たりで挑戦した壇蜜だが、エロスを醸し出すために必要なのは「幸せになりすぎないこと」だと豪語する。「私『キラキラしたい』と言っている人が一番嫌いなんですよ(笑)。『見てみろ、私はサビだらけだぞ』と言ってギシギシした私自身を見せるほうが、みなさんもきっと惹かれてくれるんじゃないかなと思うんです」と独自の理論を展開。「錆びついた鉄の棒を見た時って、人によっていろんな捉え方があるじゃないですか。『お酢で磨いてあげればもっと綺麗になるのに』って思ってもらえたら、そのお酢の分だけ好きになってもらえてることだからすごく嬉しいですよね(笑)」。

そんな彼女は「いまも自転車でドンキホーテに行ったり、電車に乗ったり、スーパーに行ったりして、(本名の)齋藤支靜加に戻るようにしています」と意外なプライベートも吐露。「人はみな、隠しておきたい闇の部分ってあると思う」という壇蜜は「そこを隠し通すのではなく、気を遣って可愛がってあげることで、女性ってもしかしたら厚みが出て、“魔性”ではないですけど、身に纏うものに何かを加えられるんじゃないかな」とインタビューを締めくくった。

肉体的にも精神的にもかなりハードな撮影を乗り越えた女優・壇蜜が魅了する『甘い鞭』。お茶の間の人気者になった今だからこそ、彼女が発する淫靡な魅力を再発見してほしい。【Movie Walker】

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