福山雅治主演『そして父になる』がアカデミー賞を獲る可能性って!?
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、トロント国際映画祭でも大絶賛だった是枝裕和監督の新作『そして父になる』(9月28日公開)。本作は今月20日(金)よりスペイン・バスク地方で行われる第61回サン・セバスチャン国際映画祭への出品も決まっており、注目が高まっている。
惜しくもアカデミー賞外国語映画部門の日本代表を逃した本作だが、海外サイトDeadlineでは、『そして父になる』がアカデミー賞日本代表に選ばれていたら賞を獲れる可能性もあったのではと評価している。
観客を感動の渦に巻き込み、実質的にカンヌ国際映画祭の第3位とも言われる審査員賞に輝いた本作は、審査員長のスピルバーグを夢中にさせ、彼が代表を務めるドリームワークスがリメイク権を交渉したほどだ。Deadlineによると、『そして父になる』はスピルバーグにとって今年のカンヌ国際映画祭で個人的に一番の映画だったとのことで、リメイクの話もあり、巨匠スピルバーグからも作品に太鼓判を押してもらったようなものだという。
さらにDeadlineは、称賛をあびた是枝監督の『そして父になる』はノミネートされるだけではなく、実際に外国語映画賞を受賞する可能性が大いにある作品だったと分析している。子どもの取り違えをきっかけに、家族や愛、幸せのあり方と向き合うヒューマンドラマは、2008年に最優秀外国語映画賞で驚きの評価を得た『おくりびと』とも類似し、保守的で高齢の外国語委員会の心に響いたのではという見解からだ。
今月初旬の発表で、見事アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれたのは、最年少監督となる30歳の石井裕也監督の『舟を編む』。今年4月に公開したこちらの作品もオフビートなロマンティックドラマだが、是枝監督の『そして父になる』の方が国際的知名度としては上を行っているのはいなめない。
ただ、北米の配給会社Sundance Selectsは『そして父になる』を年内に北米で公開することを目指しているのだとか。となると、是枝監督の脚本が脚本賞にノミネートされる可能性も。脚本賞はこれまでも多くの外国映画が候補に挙がっており、前回もオーストリア、フランス、ドイツが共同製作したミヒャエル・ハネケの『愛、アムール』(12)も候補に。北米公開されれば、主演賞や助演賞などにキャストがノミネートされる可能性ももちろんある。
残念ながら外国語映画部門には選ばれなかった『そして父になる』だが、アカデミー賞に輝く可能性はまだ残されている。【Movie Walker】