ジョブズの信奉者であるアシュトン・カッチャーが役作りでここまで魅せた!
役作りというのは俳優にとって最も大切な仕事のひとつ。とくに実在の人物を演じる場合、ルックスから仕草にいたるまで、いかに本人に似せられるかが映画の質そのものに関わってくる。この役作りにおいて、ここ最近で最も成功したと言えるのが、映画『スティーブ・ジョブズ』(11月1日公開)で ジョブズを演じたアシュトン・カッチャーだろう。
アシュトンといえば、もともと若い頃のジョブズに瓜二つと評判があり、アップル創設当時からのジョブズを描く本作にぴったりの俳優だ。だが、ジョブズと聞いて多くの人が思い浮かべるであろう晩年の姿となれば話は別で、30代半ばのアシュトンがあの独特の雰囲気を作り出せるのか、以前から注目が集まっていた。
この注目に期待以上のクオリティで応えたのが、アシュトン自身の公式Twitterで公開された“激似写真”だ。この写真は、ジョブズ本人の顔と、ジョブズに扮したアシュトンの顔を左右半分ずつ組み合わせたもので、ぱっと見ただけではジョブズ本人のポートレイトにしか見えないほど。ここまでジョブズの容姿に肉薄したアシュトンに対して、ファンは惜しみない称賛を寄せ、改めて彼をジョブズ役に最も適した俳優であると認めたのだ。
しかし、そんな称賛の影には並々ならぬ苦労があったようで、アシュトンは役作りに没頭するあまり2日間の入院を余儀なくされている。というのも、生前のジョブズが実践していた果実食主義を取り入れ、果物しか食べない生活を続けた結果、「身体をよじるほどの苦痛」に襲われてしまったそうだ。役作りのために食生活を真似るというのは素晴らしいアイディアだが、この少々極端なジョブズの食習慣は、彼の身体には合わなかったらしい。
そのほか、100時間以上にもおよぶジョブズの映像を見ることで、独特の歩き方や話し方を身につけたというアシュトン。単にルックスや仕草を似せるだけではなく、最も深いところでジョブズとシンクロし、スクリーン上に甦らせた彼の演技に注目だ。【Movie Walker】