ビビアン&中国コメディ王が語る沖縄国際映画祭

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ビビアン&中国コメディ王が語る沖縄国際映画祭

アジア映画3作品の記者会見、3作目は、理想の妻探しに出かける発明家を描いた中国作品『If you are the one』。フォン・シャオガン監督とゲスト出演のビビアン・スー、ウザキ・イソンが登壇した。

――沖縄の印象は?

フォン・シャオガン監督(以降、監督)「楽になれる場所ですね。映画祭のコンセプトについても、その通りだと感じています」

ビビアン・スー(以降、ビビアン)「特別なものです。海辺の近くに来られたことを嬉しく思います」

ウザキ・イソン(以降、ウザキ)「初めて来ました。20年間日本にいますが、とても来たかった場所です。胸がいっぱいです。映画祭が終わったらしっかり観光したい(笑)」

ビビアン「日本語うまいです!」

――この作品について

監督「沖縄国際映画祭のコンセプトに見合った作品だと思います。アジアでこのような映画祭が開催されるのはとても有意義です。コメディでやるのは難しいし、こうしてアジアの国々が交流できたことでいい映画祭になると思います」

ビビアン「北海道でロケをしたんですが、とてもきれいなところがたくさん映像になっています。今度は沖縄の美しいところをフィルムに収めたいですね」

ウザキ「私は20年間プロデューサーとして裏方をしていたんですが、今回初めて出演しました。監督のユーモアを日本やアジアの人々に是非見てもらいたいです」

――日本は何年ぶりでしょうか?

ビビアン「5年ぶりです。この5年間、中国・台湾・香港とアジアを中心に女優として活動し、中国語でCDも出してコンサートもしました。少し前ですが、3ヶ月ほど短期留学でロスに行っていたんですが、歩いていると日本のファンの方が声をかけてくれて、忘れられていないんだと思って、とても嬉しかったです!」

――今後、日本で活動する予定はありますか?

ビビアン「今年の秋以降になると思いますが、日本でCDを出します! コンサート会場にも、日本からファンの方が来てくれて、本当に嬉しく、ありがたかったです。そんなファンの方々のためにも頑張りたいです」

――今作の日本公開予定はありますか?

監督「日本からオファーが来ています。が、私にはどうなるかわかりません。配給会社にプッシュしてください(笑)。この作品は昨年の中国の興行収入でNo.1です。中国のファンがなぜ見たがるのか、日本の皆さんにもきっと理解できると思います」

ウザキ「日本語字幕がとても難しかったです。監督は非常にセリフを大切にしているので、日本人が理解できるように工夫しました」

――今回、コメディを撮るきっかけは? 『戦場のレクイエム』とは随分違うと思いますが。

監督「『イノセントワールド』の前まではコメディをずっと作ってきました。それから方向転換をして撮ってきましたが、今回は昨年からの経済不況や、皆さんもご存じだと思いますが、中国で大地震がありました。暗い中で光を当てて、みんなを楽しませたい、というのが理由です」

奇しくも沖縄国際映画祭開幕の3/19はビビアンのバースデー、そんなタイミングで沖縄に来られたことを喜ぶビビアンは「この映画を見たら、きっと恋をしたくなります」とアピール。日本公開は今のところ未定だが、是非とも公開を望みたい。

3作品の記者会見を全て聞き終えて思ったことは、どの監督も一様に語っていたが、映画の世界において“コメディ”というジャンルは不当に評価が低いということ。今回の沖縄国際映画祭をきっかけにして、コメディに対するリスペクトと、コメディというジャンルに正当な評価を与えていきたい、という強い思いを感じた。

日本、韓国、中国、香港など、アジアの様々な国が“コメディ=笑い”をキーワードに一つにまとまることができる、そんな予感がしている。【取材・文/真野博之】

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