八千草薫、美智子皇后陛下から「美しい」と言われて恐縮しきり
今年101歳で亡くなった詩人・柴田トヨの半生を描く感動作『くじけないで』(11月16日公開)の試写会が11月12日に有楽町で開催され、美智子皇后陛下が行啓。共に映画を観賞した八千草薫、武田鉄矢、深川栄洋監督が、囲み取材を行った。主人公トヨ役を演じた八千草は、美智子皇后陛下と懇談し、「とても良いものを見せていただいたと言ってくださいました」と大感激。また、皇后陛下から「いつまでも美しい」と言われた八千草は、恐縮しながら「皇后陛下は本当に美しい。芯からの美しさというか、やっぱり素晴らしい」と、感慨深い表情で語った。
武田も「笑い声が起こっていたみたいなので、すごく感動しました」と興奮気味だった。深川監督も「映画はとても久しぶりで、何年も映画館に足を運ぶことはなかったということで、とても楽しんでいらっしゃいました」とうれしそうに語った。さらに武田が「映画そのものは、周りの方に勧められて興味を持ったそうですが、柴田トヨさんについては、とても深くご存じで、映画に登場しない詩まで、そらんじていらっしゃいました」と驚くと、八千草や深川監督も深くうなずいた。
武田は、皇后陛下の懐の深さに感心した点をこう語った。「(被災地の)石巻に3人で行ったのですが『八千草さんが柴田トヨさんに似ているので、登場するなり涙ぐんでらっしゃいました』と申し上げたら、皇后さまは『映画を見る施設は大丈夫ですか?』とおっしゃいました。『あそこには映画館があるので大丈夫です』と言ったら、うれしそうな顔をなさって。復興の速度を心配されてました」。
柴田トヨは、90歳を過ぎて詩作を始め、98歳で刊行された詩集「くじけないで」が、200万部のベストセラーとなった。晩年の彼女を八千草薫が、若かりし日の姿を檀れいと芦田愛菜が演じ、『60歳のラブレター』(09)の深川栄洋監督がメガホンをとった。【取材・文/山崎伸子】