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セックス問題を描くだけでR18+に?表現規制に疑問の声!

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セックス問題を描くだけでR18+に?表現規制に疑問の声!

「R18+指定は厳し過ぎないか?」「R18+指定は間違ってる!」。猥褻で過激な性描写というわけではないのに、なぜ18歳未満の未成年者が観られないのか…。劇場公開前の試写会で鑑賞した映画関係者からそんな疑問の声があがっているのが、実話に基づくヒューマンドラマ『セッションズ』(12月6日公開)だ。

6歳でポリオを患い、首から下が動かなくなった詩人でジャーナリストのマークが主人公。女性と深い関係を持ちたいと思うようになった彼は、38歳にしてセックス・サロゲート(=代理人)であるシェリルの“セッション”を受ける。2人のやりとりが笑いを誘う一方、成熟した大人の魅力にあふれたシェリルと触れ合う中で芽生える初めての感情に、マークは喜び、戸惑いを見せる。そんな彼の奮闘には思わず手に汗握り、いつしか切ない気分にさせられてしまう。障がいを抱えたマークは満足のいくゴールを迎えられるのか?

ほとんどの公開国で規制がなかった本作が、日本ではR18+指定という規定が付いたことで、疑問視されているのが映倫の審査基準。アカデミー外国語映画賞受賞作ながら、未成年者の殺人シーンがある『ツォツィ』(05)はR15+指定に、『キャリー』(公開中)は「殺傷・出血、性愛描写みられる」ためPG12指定になるなど、規定の理由はさまざま。逆に『凶悪』(公開中)や『地獄でなぜ悪い』(公開中)には思わず目を覆ってしまうような衝撃描写がありながら、それぞれR15+、PG12指定。障害者専門のデリヘル嬢を描く『暗闇から手をのばせ』(13)については指定なしというのだから、その線引きはどんな視点にもとづいているのか、と考えずにはいられないだろう。

喫煙シーンに日本禁煙学会が物申した『風立ちぬ』(13)、映画ではないが、一部描写が問題視されて閲覧制限要請を受けた漫画「はだしのゲン」など、表現の自由についての議論はたびたび交わされ、ときに事態が覆る場合もある。果たして『セッションズ』はR18+に相応しいのか、否か。その目でまずは確かめて、映倫による規定を“審査”してみてはいかがだろうか?【Movie Walker】

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