オスカー最有力候補作『それでも夜は明ける』、イタリアのポスターが物議を醸す
今年のアカデミー賞作品賞の最有力候補と言われているスティーヴ・マックイーン監督作『それでも夜は明ける(原題:12 Years a Slave)』(2014年3月7日日本公開)のイタリア版ポスターが、物議を醸している。
同作は、1841年に自由の身で生まれた黒人ソロモンが、奴隷として12年間を過ごした実話に基づいた作品で、主人公を演じアカデミー賞主演男優賞のノミネートが確実視されているキウェテル・イジョフォーと、同助演女優賞の呼び声も高いリピータ・ニョンゴはともに黒人だ。
しかし、イタリアがこの度作成した同作のポスターは、同作のプロデューサーで重要な役どころながらわずかしか出演していないブラッド・ピットと、アカデミー賞助演男優賞の呼び声も高いマイケル・ファスベンダーという白人を前面に押し出しており、キウェテルをまるでおまけのように付け足している。
Digitalspy.comに掲載されているポスターにはブラッド・ピットが大きく描かれ、その前で走っているキウェテルはかなり小さく描かれているが、「数か月間この作品のプレス記事を追っていますが、見るのが待ち遠しいです。でも、ブラッドがポスターの真ん中に大きく描かれるほど中心的な役どころを演じているという記憶はありません」という反応もあり、白人至上主義の人種差別だとして同作のプロモーションの仕方を非難する意見もあがっているようだ。【NY在住/JUNKO】
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