『バイロケーション』の水川あさみ「ずっと険しい表情をしていたから眉間に皺が出来そうでした」

インタビュー

『バイロケーション』の水川あさみ「ずっと険しい表情をしていたから眉間に皺が出来そうでした」

自分と容姿がそっくりのもうひとりの自分が生活を侵食してくる! 実例も報告されている、そんな怪奇現象の恐怖を描いた新感覚ホラー『バイロケーション』(表/1月18日公開、裏/2月1日公開)。本作で突然その異常現象に襲われるヒロインの桐村忍と、彼女と同じ容姿でありながら別の人格を持ったもうひとりの自分=通称バイロケを一人二役で演じた水川あさみに撮影の裏話を聞いた。

本作は第17回日本ホラー小説大賞に輝いた法条遥の同名ホラーを映画化したものだか、ホラー映画初挑戦の水川は「ただ驚かすだけのホラーじゃないところに惹かれました」という。「サスペンスの要素もあるし、女性の生きざまや、もうひとりの自分に翻弄される人間の心理が描かれているところに面白みを感じました」。

水川が演じた忍は画家になることを夢みて毎日キャンバスに向かうものの、なかなか目が出ず、焦りを感じ始めている女性。それに対して、忍のバイロケはその夢を軽々と手に入れてしまうばかりか、彼女が大切にしているものまでも奪っていく。「忍を演じるときは化粧をほとんどせず、逆に目の下の隈を増やして、髪をボサボサにして常に切羽詰まっている感じにしたんですけど、ずっと険しい表情をしていたから眉間に皺が出来そうでした(笑)。バイロケの方は逆に、気持ちに余裕がある感じを意識して。それ以外ではオリジナルの忍には前髪を触る癖があるといった細かい違いを出したぐらいで、あまり差異を出さないようにしましたね」。

それでは、実際に自分のバイロケが現れたらどうする?「忍のバイロケみたいに優秀だったら、代わりに仕事に行ってもらいます(笑)。悪いことばっかり考えているバイロケだったら怖いけど、それこそ自分が持っていないもの、欲しいものを持っているのなら共存するのもいいかも。そうしたら、すごく楽ですよね(笑)」。

最後に独自のユニークな考えを語ってくれた水川あさみ。オリジナルの「表」と結末が違う「裏」の2バージョンがある本作を見比べると、ただ恐怖で震え上がるだけでなく、彼女のように様々な想いが浮かんだり、自分の生き方を見つめ直すきっかけにもなるので、ホラー映画はあまり見ないという女性にも、ぜひ見てもらいたい。【取材・文/イソガイマサト】

関連作品