『それでも夜は明ける』オスカー受賞で米紙が161年前の記事を訂正!
米紙ニューヨーク・タイムズが、オスカーの影響で161年前に掲載された記事を訂正した。問題の記事とは、先日授賞式が行われた第86回アカデミー賞で作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』(3月7日日本公開)の原作「Twelve Years a Slave」について書かれたもので、1853年1月20付のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されていたという。
1853年に発表された「Twelve Years a Slave」は、1841年にワシントンで誘拐されて奴隷として売られ、ルイジアナ州のプランテーションで12年間働いたソロモン・ノーサップの自伝である。映画化作品の『それでも夜は明ける』も原作に忠実にソロモンの経験を描いている。ところが、そのソロモン・ノーサップの名字のスペルが、1853年のニューヨーク・タイムズの記事で2度も間違って表記されていたそうで、作家のレベッカ・スクルートがリサーチ中にそのことに気づいた。そして彼女が、オスカー受賞作の主人公の名前のスペルが間違っていたことをツイッターで指摘したため、ニューヨーク・タイムズは掲載時から161年も過ぎて同記事を訂正した。
「ソロモン・ノーサップの『Twelve Years a Slave』 は発表から160年後に映画化され、第86回アカデミー賞作品賞を受賞しましたが、1853年1月20付で掲載された彼のストーリーに関する記事中で、彼の名字(正しくはNorthup)がNorthropと誤って表記されていました。さらに、見出しではNorthrupと表記されていました」とニューヨーク・タイムズ紙電子版の3月4日付訂正欄には書き込まれている。【UK在住/ブレイディみかこ】
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