能年玲奈、『ホットロード』の不良少女役で「初めて髪を明るくしました」と告白。主題歌は尾崎豊に決定
紡木たくの伝説的少女漫画を実写映画化する『ホットロード』(8月16日公開)の製作報告会見が3月18日にコンラッド東京で開催され、能年玲奈、三代目J Soul Brothersの登坂広臣、三木孝浩監督が登壇。ヒロインに抜擢された能年は「動く私を見るのは、久々だと思う。とにかく必死で頑張ったので、気になる方は見てほしい」と挨拶。終止、おっとりオーラ全開で会場を和ませた。
原作は、1986年から87年にかけて別冊マーガレットにて連載され、集英社少女漫画史上、最速で100万部を突破し、コミックス全4巻で発行部数700万部を誇る少女漫画。能年は、自分が誰からも必要とされていないのではないかと不安を抱え、命知らずの不良少年・春山(登坂)に心惹かれていく主人公・和希役を演じる。これまで映画化を許可してこなかった原作者・紡木が「能年、登坂が演じる、和希と春山を見てみたい」と熱望したことが、実写化への大きなきっかけになった。
撮影に入る前に原作を読んだという能年は「全体に流れている空気がすごくきれい」と印象を吐露。「和希がとてもかわいらしい女の子で、頑張らなきゃと気合いが入りました」と、笑顔をのぞかせた。映画初出演となる登坂は、「不安のなか、撮影に入っていった」と述懐。「春山は不器用ながらも真っ直ぐにぶつかっていくキャラクター。不器用な部分は共感するところもあり、自分らしく演じられればと思った」と役柄への愛情を込めて語ってくれた。
『ソラニン』(11)、『僕等がいた 前篇・後篇』(12)など青春映画に定評のある三木監督がメガホンをとる。伝説的コミックの実写化に「プレッシャーもあった」と三木監督。「原作を読んだ時に、10代の子たちが抱えていた悩みは、どの時代にも伝わる物語だと思った。当時、少年少女だった世代が今、親の世代になっている。今だからこそ、映画化する意味があると思い、やりがいを感じた」と力を込める。
撮影はこの冬に敢行。すでにクランクアップしている。黒髪の印象が強い能年だが、「初めて髪を明るくしました」と、和希を演じるにあたって、髪の色もチェンジ。「登坂さんが現場を明るくしてくださった」と現場の雰囲気を振り返り、「私は口下手で、人付き合いが得意な方ではない。登坂さんのおかげで役に集中して、閉じこもることができた」と登坂に感謝しきりだ。
主題歌は尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」に決定し、純愛ストーリーを鮮やかに彩る。「あの頃の10代と今の10代を結びつけてくれるのは、尾崎さんしか考えられなかった」と三木監督。最後には「再生の物語として、親子でも見てほしい」とメッセージを贈った。【取材・文/成田おり枝】