鉄拳の感動パラパラ漫画が原作の映画『振り子』に、演者も涙!
「第六回沖縄国際映画祭」2日目となった3月21日、沖縄・宜野湾市の沖縄コンベンションセンター・シアター2では、映画『振り子』の上映と舞台挨拶が行われた。
『振り子』は、動画再生回数300万回以上を記録した鉄拳のパラパラ漫画「振り子」が原作。世界的ロックバンド・Museの公式PVに採用され、iTunesミュージックビデオ・チャートで1位を記録するなど、鉄拳の紡いだ「夫婦の物語」は世界中で感動を呼んだ。
主人公を演じるのは、映画やテレビでも活躍する歌舞伎俳優・中村獅童。ヒロインは小西真奈美。武田鉄矢、板尾創路、研ナオコといった脇を固めるキャストも豪華だ。また、松井珠理奈(AKB48・SKE48)のウエディングドレス姿も必見だ。
昭和から平成に至る“取り戻せない時間”をテーマに、原作をモチーフにした壮大なストーリーが展開される。待ち受ける予想外の結末、世界中が涙した感動の名作の映画化作品もまた涙を禁じ得ない。
感動のラストで幕を下ろした後、温かい拍手とともに観客と一緒に映画を観ていたキャスト陣がステージに登壇。舞台挨拶に参加したのは、主人公を演じる中村、ヒロインの小西、板尾、原作者の鉄拳、そして監督を務めた竹永典弘監督の5人。
中村は「原作が大好きで、テレビとかで流れると毎度真剣に見ていました。大好きなだけにプレッシャーが大きかった」と胸中を告白。ヒロイン・サキを演じた小西は、「出来上がった作品を監督やほかの出演者の方と観る時は冷静に観ることができないのですが、どんどん作品に引き込まれていきました」と、撮影時を思い出しながらの鑑賞を言葉にし、「皆さんと一緒にこの映画を観ることができてうれしいです」と、涙を浮かべながら集まった観客に感謝の言葉を伝えた。
自身の作品を映画化した監督、出演者に感謝の言葉を口にする鉄拳の「思っていた以上に素晴らしい作品で…」と、涙に堪えて震える声も印象的だった。その鉄拳の言葉を受けて、竹永監督は「何よりも鉄拳さんに喜んでもらえて良かった。セリフもないパラパラ漫画を、いろいろと想像して補いながら作っていく難しさもありましたが、キャストの皆さんも頑張ってくれて、素晴らしい作品になりました」と応えた。出演者一同が涙を堪えながら作品の語る姿に、会場は和やかな拍手で包まれていた。
鉄拳原作のパラパラ漫画について、板尾は「原作自体が良い作品なので、最初は映画化する必要はないんじゃないかと思っていました。だけど、良い作品に恥じることなく演じていこうという場の雰囲気があって、より素晴らしい作品になりました」とコメント。
その言葉に鉄拳は、「いろいろなところからオファーがあったのですが、実写化が難しいということで今まで映画化されませんでした。4分間の話がどうやって映画になるのだろうと思っていましたが、竹永典弘監督のおかげで映画化に成功したと思います」と感謝の意を表した一方で、「これからの作品は、分かりやすいように(映画化しやすいように)、ストーリーを考えないと」と口にし、次作への色気も見せた。
最後は、中村が満席の会場に向けて、「今から、私たちの手元を離れて旅立っていくこの映画を、皆さんが育ててやってください。作品を観て、ほのぼのと温かい気持ちになっていただけたらうれしいです」と語り、感極まるキャスト陣の笑顔で締めくくられた。
『振り子』は、3月22日(土)、那覇市の桜坂劇場ホールCで11:00から再び上映される。