妻夫木聡、「短期集中じゃなかったら死んでた」と苛酷な撮影を振り返る

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妻夫木聡、「短期集中じゃなかったら死んでた」と苛酷な撮影を振り返る

第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞他、最多6冠を受賞した『舟を編む』(13)の石井裕也監督最新作『ぼくたちの家族』(5月24日公開)が完成。4月22日にユナイテッド・シネマ豊洲で、完成披露試写会が開催され、妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以、石井裕也監督、原作者の早見和真が登壇。石井監督は主演の妻夫木について「物憂げな表情がものすごく格好良い」と称えると、妻夫木は「30代はとことん悩みながら進んでいこうと思っていたので、悩んで良かったと思います」と笑顔を見せた。

池松も劇中の妻夫木について「悩んでる男がいちばん格好良いんだなと教えてもらいました」とベタ褒め。妻夫木は、事務所の後輩である池松を「一番共演したかった俳優」だと言い「何も言わなくてもついてきてくれるやつ」と熱い信頼関係を口にした。

妻夫木扮する主人公の妻役を演じた黒川は「消費税も上がり、いろいろと大変ということで、世の奥様方の代表として、ぴしっと言わせていただきました」とシビアな妻役について語ると、妻夫木は「本当にびしびし言ってくれるんです。うちの鬼嫁が。結婚は当分良いかなと」と苦笑いした。

原作者の早見和真は「映画を客観的に見て、同じように緊張し、憂鬱になり、うれしかった」と太鼓判を押す。本作は早見が体験した実話がベースということで、「妻夫木さんから『大変でしたね』と言われて、初めて頑張ったと思えました」と感激しきり。妻夫木は「僕は弟、相棒(池松壮亮)がいたからできたんだと。でも、早見さんはひとりだったから。撮影は毎日辛かった。苦しくて全然寝れなくて。短期集中じゃなかったら死んでたんじゃないかと思うほどでした」と、あふれる思いを吐露した。

『ぼくたちの家族』は、早見和真の同名小説を映画化した人間ドラマ。突然、脳腫瘍で余命を告げられた母を巡り、家族がいろんな現実に向き合い、葛藤していく。妻夫木は「家族って答えがない。答えがないからこそ考えてもらいたい。そしたらおのずと、お互いの立ち位置や関係性が進歩するんじゃないか」と訴えかけた。【取材・文/山崎伸子】

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