石川三千花が絶賛!『グランド・ブダペスト・ホテル』は「細部のこだわりがすごい」

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石川三千花が絶賛!『グランド・ブダペスト・ホテル』は「細部のこだわりがすごい」

第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞し、全米でも館アベレージ歴代No.1のヒットとなったウェス・アンダーソン監督作『グランド・ブダペスト・ホテル』(6月6日公開)。ウェス・アンダーソン監督から日本のファンへのサプライズプレゼントとして、5月7日にTOHOシネマズ日本橋にて、1回目の無料上映会が開催。上映後にスペシャルゲストとして、監督の大ファンだというイラストレーターの石川三千花と、ジャーナリストの萩原麻理が登壇し、トークショーを行った。

プラダ、フェンディ、オランピア・ル・タンなどが、衣装やプロップ(小道具)を提供している本作。すでに映画を3回見たという石川は「1つ1つがただお洒落じゃなく、意味を持っている。表面だけじゃないお洒落が良い」と感心する。萩原が「プラダがスーツケースや、ウィレム・デフォーの革のコートなどを提供している」と言うと、石川は「ただ、ラグジュアリーなだけじゃない。お高くとまってる感じじゃなくて、もうちょっと引き寄せていて、おかしみがある。本当の意味でのお洒落よ」と同意。

萩原が「いろいろと小さいところのアイディアも本人が出しているんです」と振ると、石川も「些細なことにもこだわっている」とうなずく。「たとえば、最初に出てくるコンシェルジュの寝癖とか。立ててる。完璧なのは、絶対に嫌なんだろうなと(笑)。あれだけ細部にこだわっていると、周りのスタッフが具現化する作業が大変そう」と石川。萩原は笑いながら「大変だけど楽しいと思います」と語った。

石川は本作について「何回か見れば、もっと味わえる映画。見どころに次ぐ見どころっていう映画。隅々まで見どころが押し寄せる」とアピール。萩原はウィレム・デフォーのファンということで「最後のヨーロッパならではのウィンタースポーツのシーンがおすすめ。ミニチュアストップモーションが山場だと思います」とお気に入りのシーンを挙げ、トークショーを締めくくった。

ホテルのコンシェルジュとベルボーイが、ホテルの威信をかけ、得意客を殺した犯人捜しに挑むというミステリー仕立ての『グランド・ブダペスト・ホテル』。今回も、小粋なファッションセンスが光る快作となった。今後も、映画を応援すべく、本作の無料上映会が開かれたり、劇中で使われたコスチュームやプロップが展示お披露目されるということで、お見逃しなく。【取材・文/山崎伸子】

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