染谷将太がふんどし一丁で長澤まさみと二人乗り！「恥ずかしかった！」と感想を語る

ダークで研ぎ澄まされた悪役から、悩める等身大の好青年まで、常にスクリーンで強い個性を打ち出してきた若手演技派俳優・染谷将太。『WOOD JOB!（ウッジョブ） 神去なあなあ日常』(5月10日公開)では、林業を通して成長していく素朴な青年役を好演。メガホンを握ったのは、『ウォーターボーイズ』(01)、『ハッピーフライト』(08)の矢口史靖監督だ。矢口監督が綴る“林業エンターテインメント作品”に染谷がどう挑んだのか？インタビューして、撮影秘話を聞いてみた。

これまでオリジナルにこだわった矢口監督だが、本作で初めて原作ものにトライした。その小説が、三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」だ。ロケは、小説のモデルとなった三重県津市の美杉村(現在は美杉町)で敢行された。染谷はロケ地について「夏の撮影で暑かったのですが、虫が多いし、ケガの危険性もあって、肌は出せませんでした。緑がきれいな村で、山時間というか、すごくゆったりとした時間が流れていました」と振り返る。

彼が演じたのは、ひょんなことから林業に携わるようになった都会育ちの青年・平野勇気役。脚本を読んだ時の感想について聞くと「大変だなというよりも面白いなと思いました。もちろん必死でしたよ。不安もあったし、チェーンソーとかも難しかったけど、みなさんのお力をお借りし、現場では楽しくできました」。

終盤の祭りのシーンで、たくましい山の男たちと共にふんどし一丁になる。ふんどしについては「食い込むんです」と苦笑い。「役者のなかには、痔の人もいて、大変だったみたいです。座っていられないみたいで。だから、浴衣を着て待機している時も、みなさん、お姉座りをされていました。その光景がすごく面白かったです」。

勇気が思いを寄せるヒロイン・直紀役の長澤まさみとは今回が初共演となった。「矢口さんが長澤さんについて『男らしい』と言っていましたが、確かにさらっと現場にいらして、僕もやりやすかったです。良い意味で変に気を遣わない、気さくな方なので」。

ふんどし一丁の勇気が、直紀の運転するバイクの後ろに乗り、2人で山道を疾走するシーンもある。そのシーンには、さすがに照れを感じたという染谷。「ふんどしで、たくさんの男の人たちと一緒にいる分には全然恥ずかしくなかったけど、ふんどしが俺ひとりで、長澤さんとのシーンになると、すごく恥ずかしかったです。でも、さすがは長澤さん、動揺せずでした。『すごいね。これ』って爆笑していました」。

さらにクライマックスでは、大木を使ったとんでもないアクションを見せている。「現場で実際に大木のセットを見た時は興奮しました。圧巻でした。あれに乗っかると怖いんですよ。前が見えないから。出来上がったシーンには大笑いしました」と満足気に語る。

初めて、矢口組に参加して、そのチャレンジ精神に心が突き動かされたという染谷。「人を笑わせるには大変な苦労があるんだなと改めて感じました。矢口さんは、映像でお客さんを驚かせたり、新しいチャレンジをすることが好きな方なので、今回、それに加担できたことはすごくうれしかったです。これ、どうやってやったのだろう？と、お客さんを驚かす。それって楽しいじゃないですか。今まではそういう楽しみを現場でしたことがなかったので、毎日が新鮮でした」。

最後に、本作についてこうアピール。「平野勇気を通じて、自分も青春できたので、是非お客さんにも、映画館でいっぱい青春して帰ってほしいです」。矢口監督ならではのスクリューボールコメディで、また役者として新しい顔を見せてくれた染谷将太。折しも初夏に近づくこの季節、『WOOD JOB!（ウッジョブ） 神去なあなあ日常』で、たっぷりとグリーンシャワーを浴びながら、青春してみては？【取材・文/山崎伸子】