さしこ、辛いことがあっても「私は寝たら忘れます」と断言!
アイドルの既成概念を壊し、ヘタレキャラで人気を博してきた、さしこことHKT48の指原莉乃。彼女が、初の主演映画『劇場版ミューズの鏡 マイプリティドール』(12)や「コドモ警察」などで、何度もタッグを組んできた人気喜劇作家・福田雄一監督の最新作『薔薇色のブー子』で、2度目の主演を務めた。折しもAKB48のシングル選抜総選挙を6月7日(土)に控える今、さしこにインタビューし、本作の撮影秘話や、内田裕也と主題歌「シェキナベイベー」をデュエットした感想などについて聞いた。
この映画、タイトルからして、ただのアイドル映画とはかけ離れた響きがある。ジャンルについては“ジェットコースター・アンラッキー・コメディ”という触れ込みだが、映画を見れば納得である。さしこが演じるのは、いつも文句ばかり言うから“ブー子”というあだ名が付けられた大学生の幸子役。彼女が怒涛のように不運な目に遭い続ける姿をひたすら追っていく。さしこは「今回、いろんなシーンの撮影があって、それぞれ面白い人とお話をすることが多かったので、ずっと飽きなかったです。お会いする人は毎日違うので、勉強になりました」と、感想を語る。
53歳年上の内田裕也とデュエットをしたことでも話題となっている。ただ、実は、内田が以前からさしこにラブコールをしていたそうだ。「以前に番組でご一緒した時に、面白いと思っていただいたみたいです。この映画が製作される前から、秋元(康)さんの方にデュエットのお話をしていただいていたようで。でも、なかなか実現せず、ようやくこのタイミングでご一緒させていただけることになりました」。
内田は、さしこのどういう点が気に入ったのだろうか?と本人に聞いてみると「わかんないです。詳細は聞いてなくて。でも、私はあまりびびんないタイプなので、ビクビクもせず、ちゃんと裕也さんと目も合わせますので、それが良かったのかもしれません」とのこと。ストレートに、内田が怖くないのか?と尋ねると「偉い人って怖くないんです」と言う。「中途半端な人の方が怖い。秋元さんもそうですが、1周回っちゃってる方は、心がすごく広いです。裕也さんもそうでした」。実際、デュエットもすごく楽しめたそうだ。
『薔薇色のブー子』は、いろんな映画にオマージュを捧げているが、なかでも『セーラー服と機関銃』(81)の薬師丸ひろ子ばりに、機関銃を乱射して「カ・イ・カ・ン」とつぶやくシーンが印象的だ。では、さしこにとって、日常で快感だと思うのは、どういう瞬間なのか?と尋ねると「コンサートが終わった後です」と言う。「コンサート自体が好きなので、すごく楽しいです。まあ、もともと辛いことは特にないというか、あまり辛いことを感じないタイプなので。前向きだから全然大丈夫。私は寝たら忘れますし」。
それでも、AKB48のシングル選抜総選挙で1位をマークしたトップアイドルだから、多忙で睡眠時間もあまり取れないのではないか?と聞くと「自分の努力次第で、寝られるはずです」と断言。「私もまあまあ忙しいとは思うんですが、自分の睡眠を最優先させれば、普通に6時間とか寝られます。間違いないです。工夫しだいでどこでも寝られますし。もちろんAKB以外の芸能人は、お忙しいとは思いますが、AKBのメンバーはたぶん寝られます」。平然とそう語るさしこのたくましが実にまぶしい。
最後に本作の見どころを語ってもらった。「今回の映画はお子さんからお年寄りまで、全世代楽しめると思います。ご家族だったり、カップルだったり、何でもない時間を過ごせると思うので。良い意味で、身にならない時間なので、その時ぱっと見て、ぱっと忘れてもらって、その時だけ笑ってもらえればと」。最強の喜劇作家と最強のアイドルのコラボレーション映画をとくとご覧あれ。【取材・文/山崎伸子】