タランティーノ監督、カンヌ国際映画祭で「映画は死んだ」と毒を吐く
歯に衣着せぬ物言いで有名なクエンティン・タランティーノ監督が、映画界の現状について得意の毒舌を発揮した。
第67回カンヌ国際映画祭のメイン会場近くのビーチで、94年にパルム・ドールに選ばれ、タランティーノ監督を一躍スターダムにのし上げた『パルプ・フィクション』の特別上映会が開催された。キャストのユマ・サーマン、ジョン・トラボルタなどが集結したイベントのインタビューで、タランティーノ監督は、「僕の見解では、デジタルプロジェクションやDCP(デジタルシネマパッケージ)っていうのは、僕が知るところの映画は死んだも同然の状況だと思っている。ほとんどの映画がもはや35mmで撮られていないという事実は敗戦と同じだ。デジタルプロジェクションなら、公共のTVとなんら変わらない。いま世界中が公共TVで満足してしまう時代になってしまった。それは、僕の知るところの映画の死を意味する。プロフェッショナルな監督たちが、こぞってデジタルで映画を撮影するのが理解できないね」
「いまの世代は望み薄だけど、次世代の人間が、映画の真の価値を追求してくれることを願うばかりだね。いまは簡易デジタルのロマンティックな時を楽しんで、その後の世代が、いまよりスマートで、失われたものの大切さを再認識してくれることを望んでいるよ」と語ったとcontactmusic.comが伝えている。【NY在住/JUNKO】
作品情報へ