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映画におけるアイドルとクラウドファンディングの相性がいい理由とは?

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映画におけるアイドルとクラウドファンディングの相性がいい理由とは?

インターネットを通じ、不特定多数の人々から資金を募るクラウドファンディング。日本初のサービスとして注目を集めた「READYFOR?」や「CAMPFIRE」など、2011年頃から数々のサイトが立ち上がり、映画の分野でも製作支援や上映支援といったかたちでユーザーの支援によって日の目を見た作品が数多く存在する。そんなクラウドファンディングの潮流の中で、アイドルが出演する映画企画に興味深い現象が起きている。

14年以降に限ってみても、東京女子流の初主演作『5つ数えれば君の夢』、BELLRING少女ハートが主演した『BELLRING少女ハートの六次元ギャラクシー』がクラウドファンディングを成功させて劇場公開を実現。今後は、残念ながら8月いっぱいで活動を休止するいずこねこが主演する『世界の終わりのいずこねこ』(15年公開)が公開を控えているほか、HKT48、SUPER☆GiRLSなど複数のグループのメンバーがソフトボールに挑戦する『ソフテン』、エレクトロテイストの楽曲で人気のグループ、Kus Kusが主演する作品などの企画が、現在も製作資金を募集中だ。

クラウドファンディングの企画では、作品の立ち上げ段階から資金を募るものから、撮影自体は終了しているものの不足したポストプロダクションの費用を募ったり、または宣伝費用だけだったりとケースはさまざま。もちろん目標金額に到達しない映画企画も多い中で、アイドル映画の場合は、そのどれもが早い段階で予定の金額を上回るなど、成功を収めている。そこには現在のアイドルシーンにおけるアイドルとファンの密接な関係とクラウドファンディングというシステムとの相性のよさが少なからずある。

前述した『5つ数えれば君の夢』では500円から15万円までの9つのコース、『BELLRING少女ハートの六次元ギャラクシー』では3000円から10万円まで6つのコースが存在し、ファンは支援した金額に見合ったリターン(「CAMPFIRE」の場合)と呼ばれる見返りを手にすることができる。

お礼のメッセージだけから、公式サイトへの名前の掲載、Tシャツのプレゼント、アイドル本人と映画本編を真っ先に見られたりと、支援金額によってリターンは豪華になっていく。AKB48の総選挙ではないが、“自分が支えている”というファン意識が強く働き、よりレアなアイテムが手に入るとはいえ、金額の高いコースから順に満口になっていくから驚きだ。

現在のアイドルのCDリリースにおけるキャンペーンでは、複数枚のCDを購入することで、よりレアな特典を入手できるようなイベントを仕掛けるグループも数多く、中には100枚単位でCDを購入するファンもいる。一点もののお宝的なアイテムが手に入るならと、そのアイドルへの愛が強ければ強いほど参加意欲が高まるのは理解できるはずだ。

今回は映画について言及したが、クラウドファンディングを利用してアイドルグループを誕生させてしまったケースもある。CDを買ったり、ライブに参加して応援するというような従来のものとは違ったアプローチでアイドルと接してみてはいかがだろうか。【トライワークス】

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