衝撃の製作秘話!石川五ェ門の衣装はライダースジャケットだった!?
いまなお多くのファンを抱える、モンキー・パンチ原作の「ルパン三世」。その実写映画『ルパン三世』が8月30日より公開を迎える。ハリウッドで一回り大きくなって帰ってきた北村龍平監督の下、ルパン一味は、スクリーンのなかでどう活躍したのか?ルパン三世役の小栗旬、次元大介役の玉山鉄二、石川五ェ門役の綾野剛にインタビューし、役作りについて話を聞いた。
映画が完成するまでの紆余曲折の道のりを小栗はこう振り返る。「まず、衣装合わせの段階でみんなが戸惑ったんです。最初、全く違う『ルパン三世』を作ろうというチャレンジから始まったけど、このチームがどこに向かおうとしているのかがあまり見えなくて。たとえば石川五ェ門は、最初は着物を着ない設定だったりしたんです」。綾野も「ライダースジャケットみたいな衣装でした」とうなずく。小栗は「みんな、それぞれチャレンジをしてみたのですが、やっぱりしっくりこなくて。それでみんなで話し合い、『ルパン三世』は、ある程度、お客さんが待っているようなものをやった方が良いんじゃないかってことになりました」。
最終的にはアニメの世界観のビジュアルに寄せていったそうだ。ルパン三世役の小栗については、スレンダーな体から、さらに8kgの減量を敢行し、仕草まで意識をした。「とにかくひたすらカメラを回す現場でした。僕なんかで言えば、ルパンぽいしゃべり方をしているテイクもあれば、そうでないテイクも撮ったし。あとは監督に全体のバランスを見ながらジャッジしてもらおうという感じでした」。
次元大介役の玉山は、原作ものを演じる上では、常に同じ考え方で挑んでいると言う。「そもそも役者の仕事って、与えられた台本や衣装のなかで、原作との違和感をどこまで薄めることができるかってことなんじゃないかと。僕は今回に限らず、毎回そう思いながら取り組んでいるので、そうアプローチした結果、あの次元になりました。もちろん、みんなプレッシャーを感じていましたが、それはどんな作品をやっても感じる、僕たちの宿命なんです」。
石川五ェ門役の綾野は「基本、僕は似せてます」とキッパリ。「それも『五ェ門ってこうだよね』と思う、絶対数が知っている五ェ門。五ェ門は、女好きなエピソードも前半の方であるんですが、それらはほとんど知られていない。記号として徹するために、そういった五エ門の物語を出す必要はないと思いましたし、声もそうですが、ほとんどの人が知っている五ェ門をイメージしてやりました。ただ、刀を抜いた部分は、基本アニメでは黒幕に光が入るだけなんです。でも、そこは韓国のアクションチームが素晴らしかったので、大丈夫かなと思いました」。
現場では、みんながいろんなことを試しながらやっていったというから興味深い。『ルパン三世』の小栗たち主要キャストの撮影は、日本で6日間、タイで2か月強にわたり敢行。そのかいあって、ワールドワイドなエンタテインメント映画に仕上がった。いよいよ公開となるが、見終わった後、ルパンたちにハートを盗まれてないか、ご注意を!【取材・文/山崎伸子】