美脚のかかと落としからバク転まで。美少女アクションがすごい!
日本発の少女アクション映画、ここにあり!『少女は異世界で戦った』(9月27日公開)で、キレキレのアクションを披露した花井瑠美、武田梨奈、清野菜名、加弥乃。すでにアクション女優としての地位を確立している武田はもちろん、4人共それぞれが個性を発揮し、スクリーン狭しと暴れまくっている。花井たち4人にインタビューし、それぞれの得意技について話を聞いた。
金子修介監督がメガホンをとった『少女は異世界で戦った』は、海外マーケットを視野に入れた新しいアクション映画の制作を目指すマメゾウ・ピクチャーズの第1回配給作品だ。2024年の核の存在しない日本の理想郷と、その平和を脅かす我々の世界とのパラレルワールドを舞台に、4人の美しき戦士たちが剣と武術を駆使して、巨大な組織に立ち向かう。
武田は「みんな個性がバラバラなので、技も別々に練習しました」と言うと、清野も「アクション監督と話して、それぞれの得意なアクションをやらせてもらったんです」と目を輝かせる。
金子修介監督作『ジェリー・フィッシュ』(13)で女優デビューした花井瑠美は、新体操の全日本チャンピオンの経歴を持つ元アスリートだ。「私は、アクション自体は全然やったことがなかったけど、前からやりたいとは思っていました。できれば新体操を生かしたもの、女性らしさを出したものをやりたいと思い、いろいろと相談して、あの開脚してのかかと落としなどを作っていきました」。まさに、彼女の長い美脚が冴える離れ業である。
『ハイキック・ガール!』(09)などのアクション映画を連打し、頭突き瓦割りのCMで大ブレイクした武田梨奈は、空手の黒帯の持ち主。空手をベースにした体術や飛び膝蹴りにほれぼれするが、他にも高いところからのジャンプにトライした。「私はアクション監督に、ジャッキー・チェンみたいに危険なことがやりたいと言いました」とのこと。花井も「わかる!ふたりとも小さい頃からアスリートだったから、危険なものに飛び込んでいきたいんです。体を張ることに幸せを感じるんですよ」と同意。
清野菜名は、園子温監督作『TOKYO TRIBE』(公開中)などのアクションで話題沸騰だ。「私はアクロバットが得意なので、立ち回りではバク転を入れてもらったりして、アクロバティックな技をやらせてもらいました。刀を持ったままのバク転は、自分に刺さるんじゃないかとヒヤヒヤしました(苦笑)」。武田も「私も、武器を持ちながらのアクションは難しかったです」と告白。
元AKB48の初代メンバーの加弥乃も、池谷幸雄体操倶楽部で培った身体能力を披露。「私は、よく初対面の人から、走るのも遅そうで、あまり動けなそうに見られるんです。でも、金子監督は、私が以前、体操を習っていたことを覚えてくださっていて、今回オファーをしてくれたのでうれしかったです」。武田も「見た目とかイメージで言うと、加弥乃っちがいちばんギャップがあるのもしれない。でも、彼女はすごく根性があります」と太鼓判を押す。
加弥乃は、劇中で敵の胴体で逆上がりして、自分の体ごと相手を地面に叩きつけるなどハードなスタントを見せている。「私の技は、相手がいないとできない技というか、敵に絡んでいく技が多かったです。でも、撮影1週間前までは本当にできなくて、ギリギリ間に合った感じでした。今回は私以外の3人が、アクションができる方たちだったから、すごくプレッシャーがあったというか、足を引っ張りたくないという思いはありました」。
『少女は異世界で戦った』というタイトルどおり、本作の彼女たちは体を張っての死闘を繰り広げている。よくぞここまでアクションができる女優を揃えたものだ。これは、大きなスクリーンで見てほしい。【取材・文/山崎伸子】