意外と長い!?鈴木京香と三浦友和がキスシーンの裏側を暴露

インタビュー

意外と長い!?鈴木京香と三浦友和がキスシーンの裏側を暴露

お互いに自立し、東北の地で離れて暮らす、医師の夫婦。この夫婦の絆を軸に、東日本大震災後の人々のいまを描いた『救いたい』(11月22日公開)。この夫婦役を演じたのが、鈴木京香と三浦友和だ。被災地でロケをし、彼女たちはどんなものを得たのか?2人にインタビューし、本作に懸けた熱い思いを聞いてみた。

鈴木が演じたのは、仙台の医療センターで麻酔科医を務める妻・川島隆子役。三浦は、被災地で地域医療に従事する夫・貞一役だ。鈴木にとって、三浦は現場で心のよりどころだったようだ。「この映画では、医療だけではなくて、震災後の人たちの暮らしなど、難しいテーマも描いています。本当はパートナーとしてそばにいてほしいけど、仕事のために離れて暮らさなければいけないだんな様。その意思を理解し、でも、愛おしいと思えるだんな様の役を、三浦さんがやってくださった。これ以上、演じる上での道標になる存在はなかったです」。

鈴木と三浦は以前から面識があったが、ちゃんと演技を交わしての共演は今回が初となった。鈴木は「念願叶ってというか、感激しました。本当に心の中で頼り切っていました」と頬を紅潮させる。三浦も「僕も、まんま同じです」と穏やかな笑みを浮かべる。三浦が「仙台では、素晴らしい牛タン屋さんを紹介してもらいました。あんなに分厚いステーキのような牛タンは初めてで、感動しました」と絶賛すると、鈴木も「良かったです。気に入ってもらえて」と笑う。

劇中では、キスシーンもあった2人。撮影エピソードを聞くと、鈴木は「陽がなくなるからって、ものすごく慌ただしく撮りましたよね。たしかクランクアップの日のラストカットでした」と思い出したように言う。三浦も「そんなに余裕のあるスケジュールじゃなかったですね」と苦笑い。

キスシーンが自然体だったと伝えると、三浦は、「そうですか。素直に見てもられるのなら、アリですね。僕も脚本を読んだ時、あそこのシーンがちょっと浮いてるという感じはしませんでしたから。でも、どういうふうにするのかなと気になっていました。ト書きには『意外と長い』と書いてあって(笑)。1発本番だったから、あの長さになったんですが、どうだったのかなと」と、鈴木とも顔を見合わせて笑い合う。

ロケ地の仙台は、鈴木の地元でもある。「震災直後の体育館に避難しているシーンでは、知り合いがエキストラで参加してくれたらしいんです。そんな話を後で聞いたりして、本当に私は生まれ育ったところでロケをさせてもらっているんだなと思い、うれしくなりました」という鈴木。三浦は、地元の人たちと、そんなに交流する時間が持てなかったと恐縮する。「みなさんが、とても快く協力してくださって、申し訳なかったです。被災された方たちがほとんどでしたからね。仮設住宅の方たちも、実際にそこに住んでらっしゃる方で、中に俳優が少し混じっているだけだったので、逆にご迷惑をかけたかなとも思っています」。

2人とも、本作に携わったことで、改めて震災への復興について思いを馳せたようだ。鈴木は「私たちがまず、震災のことを知ることをやめないようにしなければいけないなと思いました」と力強く言う。自分自身も忘れたくないという気持ちで、これからもあの大震災と向き合っていきたいです」。

三浦も「震災の時の、あの思いを忘れてはいけない。東京にいても、怖かったじゃないですか?原発の話にしてもそうです。でもいま、あの時の気持ちを、どんどん忘れていっているんです。もちろん、忘れた方が良いこともあるけど、忘れちゃいけないこともあると思うので。こういう映画に出ることは、僕たちにとっても意義があることだし、使命感みたいなものがありました」。

あふれる思いを口にしてくれた鈴木京香と三浦友和。2人が真摯につむいだ夫婦の絆と、震災の復興への思いは、スクリーンにしっかりと焼き付けられている。『救いたい』は、改めていろんなことに気づかせてくれる、深みのある人間ドラマに仕上がっている。【取材・文/山崎伸子】

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