本田翼と東出昌大が“ガラス越しに手を重ねる”胸キュンシーンの秘密を明かす
咲坂伊緒の少女コミックを映画化した『アオハライド』が12月13日(土)より公開となる。恋のときめきやもどかしさだけでなく、人との関わり合いを通して痛みを乗り越えてゆく人間ドラマにも胸キュン。爽やかな笑顔と涙をくれるキラキラとした青春映画に仕上がった。「とにかく真っ直ぐに演じた」と声をそろえる主演の本田翼と東出昌大に、“アオハル”の世界の魅力。思い出の胸キュンシーンを直撃した。
主人公・双葉と彼女の初恋の人・洸のもどかしくも切ない恋が、ふたりを取り巻く仲間たちとの友情と共に描かれる本作。原作は、大人世代からも支持を集める大人気コミックだ。双葉役に抜擢された本田は、もともと原作を読んでいたそうで、「双葉ちゃんに決まったときは、プレッシャーが大きかった」と振り返る。「でも、いつまでも考えていても仕方がない。切り替えて、本田翼が演じる吉岡双葉を頑張って演じようと思いました」。この体当たりの姿勢も、まさに双葉そのものだ。
洸役を演じるのが、東出だ。撮影前に原作を読み込んだそうで、「この原作の人気の理由は、中高生や同年代から見た“憧れ”にもあるんだろうなと思って。絵もきれいだしスタイリッシュなので、それは実写化するときも損なってはいけない魅力だと。みんなが役作りの上で、ビジュアルを寄せていったり、制服の着こなしを考え合ったりもしました」と、原作ファンのためにも熱心に役作りに励んだ。
そう語るように制服姿も見どころだが、本田本人は現在22歳。東出は26歳だ。本田が「私はそこまで抵抗はなかったけど、きっとこっちの人ですよ。抵抗があったのは」と東出をからかう。すると東出も「あはは!こっちの人は抵抗ありまくりでしたよ」と豪快に笑い、「でも、美術にしろ、衣装にしろ、ヘアメイクもプロの方々が世界をしっかりと作ってくださった。そのおかげで寄せていけたのかなと思います」。
お互い惹かれ合っているのに、いつも足踏みをしてしまう双葉と洸の恋は、なんとももどかしいもの。二人の恋については、本田も東出も「やきもきした」と率直な感想を吐露する。東出は「でもそれが、駆け引きをしててじれったいんじゃなくて、二人のタイミングが合わなくてうまくいかないわけで。みんなタイミングが合わなくて、だからこそ間違えてしまう」。すると本田も「本当にそう思います。三木(孝浩)監督も、『この作品は、間違えるとか、タイミングが少しずれるから噛み合わないということが、すごく大事なんだ』とおっしゃっていました」とうなずく。間違えながらも、自分らしく、真っ直ぐにあろうとする彼らの姿が本作の最大の魅力のようだ。
原作の名シーンを含め、思わずドキドキとしてしまうシーンが満載だが、二人にとっての印象深い“胸キュン”シーンはあるだろうか?本田は「やっぱり、ここだな。手と手を合わせるシーン。あのシーンは切なかったなぁ」と、ガラス越しに双葉と洸が手を重ねるシーンをセレクト。このシーンが好きすぎて、“ハンド・トゥ・ハンド”と命名したとか。「撮影裏話でいうと、すごくガラスに指紋がついちゃって」とお茶目に話すと、東出が「裏話って、そういうこと?」と突っ込み。笑い合う二人の息もぴったりだ。
一方の東出は「長崎に着いてから、双葉が洸を待っていてくれて橋の上で手を引っ張られるシーン。すごく救われたような気がしたんです。あと、集大成だったのが、最後の朝日のシーン。一瞬で撮らないといけなかったんですが、チームワークよく、1日で撮ることができた。三木組の皆さんが培ってきたもの、三木監督への信頼が出たシーンだと思います」と充実の撮影を述懐。すると、本田が「きれいだった」と目を細めながら、「私、あの時、『太陽がイクラみたい』って言ったんだよね。すごいオレンジ色だったから!」と再びお茶目なコメント。東出も「それ、ずっと言ってた!」と思い出し笑い。
なんともさわやかな二人だが、本作は彼らの魅力がギュッと詰まった映画となった。青春はいつだって、間違える。そして間違えるからこそ、青春は愛おしい。是非“アオハル”に乗り込んで、本田翼と東出昌大の清々しさ。そして、さわやかな感動に浸ってほしい。【取材・文/成田おり枝】