第87回アカデミー賞ノミネート1か月前予測【助演女優賞編】
15年1月15日のアカデミー賞ノミネート発表を控え、候補作の予測が徐々に絞られつつあるなか、今年もindiewire.com、goldderby.comなど業界関係者の分析結果をもとに、カテゴリー別にノミネート予測をまとめてみた。
例年、助演男優賞と同様に助演女優賞は、ノミネート者のみならず受賞者予測が比較的早い時期に絞られ、それが結果と結びつくことが多い。その特徴は今年も顕著で、ノミネート予測が始まった当初から、『6才のボクが、大人になるまで。』(14)で、主人公の少年の母親役を演じたパトリシア・アークエットの一人勝ちといわれてきた。実際に、ロサンゼルス批評家協会賞では主演女優賞を受賞し、ニューヨーク映画批評家賞でも助演女優賞を受賞している。
しかし、ボストン映画批評家協会賞を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15年春公開)の若手女優エマ・ストーンの評価が急上昇したため、もはやパトリシアの一人勝ちとはいえない状況になってきた。
後半戦で一気に存在感をアピールしている『The Imitation Game(仮題)』(15年3月公開)のキーラ・ナイトレイ、近年メキメキと頭角を現し『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(11)『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)などでオスカー候補の常連となっている『A Most Violent Year(原題)』のジェシカ・チャステイン、さらに、ノミネート回数18回、3つのオスカー像を手にしているメリル・ストリープが、今度はディズニーアニメ『イントゥ・ザ・ウッズ』(15年3月14日公開)で魔女を演じ、なんでもこなせる女優としての存在感を見せつけ、またまたオスカー候補に名を連ねている。
ジェシカに関しては、『ラブストーリーズ』シリーズで主演女優賞に、また『インターステラー』(14)で助演女優賞として票割れが予想されているため少々不利な展開になるが、『Wild(原題)』のローラ・ダーンとともに、残りの4席を争うことになりそうだ。
しかし、『St. Vincent(原題)』のナオミ・ワッツ、『Selma(原題)』のカルメン・イジョゴ、『Still Alice(原題)』のクリステン・スチュワート、『Nightcrawler(原題)』のレネ・ルッソ、『ゴーン・ガール』(12月12日公開)のキャリー・クーン、『Inherent Vice(原題)』のキャサリン・ウォーターソン、そしてカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(12月20日公開)のジュリアン・ムーアなども侮れない存在で、今後も熾烈な争いが展開されそうだ。
なお第87回アカデミー賞は、『ゴーン・ガール』にも出演しているニール・パトリック・ハリスの司会で、15年2月22日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。【NY在住/JUNKO】