第87回アカデミー賞ノミネート直前予測【作品賞編】
11日(現地時間)に発表された第72回ゴールデングローブ賞(以下GG賞)は、ちょっとしたサプライズがあったが、それは有力作品が刻々と変化していることを物語っている。1月15日(現地時間)のアカデミー賞ノミネート発表を控え、今年もindiewire.com、goldderby.com、awardscircuit.comなどの分析結果をもとに、カテゴリー別にノミネート予測をまとめてみた。
1か月前の予測と変わらないのは、リチャード・リンクレイター監督作『6才のボクが、大人になるまで。』(14)とアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15年春公開)が最有力候補作といわれていることだ。
しかし、これまでの各賞の受賞結果を見る限り、『6才のボクが、大人になるまで。』が優勢である上に、ウェス・アンダーソン監督作『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)がメキメキと頭角を現しており、GG賞のコメディ/ミュージカル部門でも『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を押しのけて作品賞を受賞していることから、勢力図は少し変わってきているようだ。
またオスカー会員は、イギリスの史実にもとづく作品を好むといわれており、モルテン・ティルドゥム監督作『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(3月公開)、ジェームズ・マーシュ監督作『博士と彼女のセオリー』(3月13日公開)はノミネートが確実視されている。
ほかの5席を、エヴァ・デュヴルネ監督作『Selma(原題)』、ベネット・ミラー監督作『フォックスキャッチャー』(2月14日公開)、GG賞では、ドラマ部門が手狭だったこともあり総スカンを食らったが最終戦で追い上げているクリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開)、デヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』(14)、デイミアン・チャゼル監督作『セッション』(4月17日公開)、ロブ・マーシャル監督作『イントゥ・ザ・ウッズ』(3月14日公開)、ダン・ギルロイ監督作『Nightcrawler(原題)』あたりで取り合うことになると予測されている。
なお、当初はオスカーの呼び声が高かったアンジェリーナ・ジョリー監督作『Unbroken(原題)』がGG賞で総スカンを食らった件で、ハリウッド外国人記者クラブの会員の話として「スターパワーをもってしても、ノミネートに値するものではなかった」とニューヨーク・ポスト紙が報じており、最大で10作品と一番枠の多い作品賞のノミネートすら難しくなってきたようだ。
第87回アカデミー賞は、ニール・パトリック・ハリスの司会で、2月22日(現地時間)にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。【NY在住/JUNKO】