三田佳子、秋元才加は「異国情緒がある」
『マンゴーと赤い車椅子』(2月7日公開)の完成披露試写会が、1月16日にスペースFS汐留で開催。秋元才加、三田佳子、仲倉重郎監督が登壇した。秋元は「車椅子を乗りこなすという技術的な問題も難しかったけど、それ以上に、いろんな葛藤や思いがあり、成長していく彩夏をどう演じていくかということで、監督からアドバイスをいただきながら、一生懸命演じさせていただきました」と力強く語った。
秋元演じる主人公・彩夏は、事故による脊髄損傷で歩けなくなるという役どころだ。秋元は「普段、気付かなかった部分、これくらいの段差でも車椅子だと怖いんだとか、町中にバリアフリーの設備がたくさんあるんだとかがわかり、さらに視野が広がりました。素晴らしい共演者の方々と演じさせていただき、本当にありがたかったです」と感慨深い表情を見せた。
祖母役の三田について、秋元は「三田さんが入ってきた時、『おばあちゃんだ!』と本当に思えて。すごく彩夏への愛情を感じて、お芝居をさせていただけた。素晴らしくて。私も三田さんのように相手を引き込むような女優になりたいです」と、リスペクトの思いを語った。
三田は「うれしい。どうもありがとう」と笑顔で言った後「監督から『あんまり老けなくていいから。いまの80歳は若いから』と言われてたんですが、若く見えちゃうと、どうしても地を隠せない、なりきってないと言われるのがすごく嫌だなと思って、90歳くらいのつもりでやったら、監督から文句が出ました」とおちゃめに苦笑いした。
自身も突然の車椅子人生となった体験をもつ仲倉監督は、30数年温めていた映画が完成して感無量の様子。秋元について「なるほど、こういう彩夏っているんだと、新鮮な気持ちで見ていました。アドバイスしたのは、車椅子のやり方くらい。また、セリフがすっかり入っていて、現場に台本をもってこなかったので、セリフは直せなかったです(苦笑)。また、三田さんは、もっと若くても良いなあと思って見ていました」と笑いながらコメント。
その後の囲み取材では、三田が秋元について「異国情緒がある。顔に凹凸があって、すごく良いでしょ。こういう映像向きの人がどんどん新しい役をしていったら、良い女優さんになるんじゃないかと」とエールを贈った。秋元は恐縮しながら頭を下げ、今後について「時代劇とかにも挑戦してみたい」と豊富を語った。【取材・文/山崎伸子】