佐々木希、初の母親役で見せる女優としての新境地
奥能登でオープンした焙煎珈琲店を舞台に、心に傷を抱えた2人の女性の出会いと再生を描く『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』(2月28日公開)。本作で注目を集めているのが、初めてシングルマザー役に挑戦した佐々木希の演技。近年、女優業としての活躍が目覚ましい彼女が、母親としての“強さ”と“優しさ”を体現しているのだ。
モデルとして同世代から抜群な支持を集めていることから、これまで“憧れのヒロイン役”のイメージが強かった佐々木。しかし最近では、ドラマ『ファーストクラス』などでブラックなキャラクターも体当たりで演じ、女優としての演技の幅を確実に広げてきている。
本作では、2人の子どもを持つ絵里子役に扮し、焙煎珈琲店を開いた岬(永作博美)を毛嫌いしているという、ちょっとクセのある役どころに。家から離れた金沢で水商売系の仕事をしていることで、劇中ではギャルっぽい派手めなファッションやメイクも披露する。
また、子どもたちに寂しい思いをさせていることをわかっていながらも、イライラを抑えきれず、言うことをきかない子どもたちに怒鳴りちらすことも多々。その姿は“怖いママ”、という雰囲気で、ビクッとさせられてしまう。
現実に押しつぶされてしまいそうになる気持ちや、岬と出会ったことで心を解きほぐしていく姿など、シングルマザーとして、複雑な感情を体現した佐々木。スクリーンで、その力強い演技をしっかりと堪能してほしい!【トライワークス】
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