大沢たかお、観客にプレゼントのクッキーは「自腹」
さだまさしの同名曲をモチーフにした映画『風に立つライオン』の初日舞台挨拶が3月14日に日比谷スカラ座で開催され、大沢たかお、石原さとみ、三池崇史監督が登壇。ホワイトデーとなったこの日、企画・主演を務めた大沢の提案で、観客にライオン型のクッキーがプレゼントされ、会場からは「ありがとう!」と喜びの声が上がった。
大沢は「こんなことしてよかったのかな」と反省しつつも、「これは自腹なんです。これは僕がどうしても、感謝の気持ちを込めてと思ったんで。いらない方がいたら、僕、持って帰りますんで」と謙虚にコメント。
ホワイトデーにはこれまで特別な思い出がなかったという大沢だが、「今日はかけがえのない日。自分の宝物のような作品と、共演者と監督、みなさんとご一緒できた。一生忘れられない日になった」と感激の面持ちだった。
石原も「私もホワイトデーには、思い出がまったくない。悲しいな」と苦笑いで告白。続けて「みなさん、大沢さんからクッキーをもらいましたが、私はもらっていませんからね。大沢さん!」と愚痴ると、大沢も「すみません」と素直に謝り、会場の笑いを誘っていた。
アフリカ・ケニアで国際医療活動に従事した実在の日本人医師をモデルに作られた、さだの名曲「風に立つライオン」。本作は、この曲に感銘を受けた大沢が小説化・映画化を熱望し、自らの主演によって映画化が実現したもの。コンサートのため舞台挨拶に参加できなかったさだからは、「素晴らしい映画が生まれた」との手紙が届けられ、一同、喜びの表情を浮かべていた。
ケニアでの過酷なロケを敢行した本作。三池監督が「ケニアで、孤独な戦いをしていた。敬意を表します」と役者陣に感謝の言葉を送ると、大沢は「監督の世界で生きられたことに感謝しています。この作品は自分にとって宝物」と心を込めて話した。
石原も本作を「宝物」と表現。「この作品を愛してくれた人を私は心から愛したい。そんなふうに思える作品に出会えて、私は幸せ者だなと思う」と並々ならぬ思いだったことを明かした。
また大沢の演じた航一郎役について、「すごく大きくてあったかく頼りがいがあって」と惚れ惚れ。「私も航一郎のように、風に立つライオンでありたい。力強く生きていこうと思った」と決意を表明していた。【取材・文/成田おり枝】