戸田恵梨香、松坂桃李のチャラ男は「新鮮」

インタビュー

戸田恵梨香、松坂桃李のチャラ男は「新鮮」

人気ドラマ「リーガルハイ」の脚本家・古沢良太と、石川淳一監督の黄金コンビが放つオリジナルストーリー『エイプリルフールズ』(4月1日公開)。総勢27人の豪華キャストが共演した本作で、戸田恵梨香が対人恐怖症の妊婦という強烈なキャラクターのヒロインに挑んだ。

脚本にほれ込んで出演したという戸田にインタビューし、撮影秘話を聞いた。

タイトルどおり、描かれるのは4月1日、エイプリルフールの1日の出来事で、7つの嘘の物語が交錯し、最後に予想もしなかった奇跡を巻き起こす。

脚本を読んだ感想について、戸田は「あれだけいっぱい点を広げたのに、あんなにもきれいに美しくまとまるのかというところに驚きました。しかも美しい物語だったので、本当にやられました」とうなる。

戸田が演じたのは、しがない清掃員の新田あゆみ役。彼女は、一夜限りの関係を持った天才外科医・牧野亘(松坂桃李)に、彼との子どもを妊娠していることを告げる。「嘘だろう」と全く相手にしない亘に業を煮やし、美貌のキャビンアテンダント・麗子(菜々緒)とデート中の亘がいるイタリアンレストランへと向かう。

おどおどした挙動不審なヒロインも、戸田にかかれば次第に不思議な魅力を醸してくる。「どういうふうにやろうかと考えていたら、私のなかで『ちびまる子ちゃん』が出てきました。ぶっきらぼうで憎たらしいんだけど、そこが愛嬌でかわいらしいというのが、あゆみなんじゃないかと思って。それを伝えたら、監督も『なるほど。僕もあゆみが見えました』とおっしゃってくれたので、そこから私が思うあゆみを演じていきました」。

メイクもほぼすっぴんで、マスクをしての演技に臨んだ戸田。「マスクが邪魔でした。しゃべっていくと、マスクがちょっとずつずれていって、鼻が見えてしまうんです。なかなか慣れなかったです」。

松坂桃李とは、スペシャルドラマ「花の鎖」(13)以来の共演となったが、松坂演じる外科医・牧野のチャラ男ぶりは「とても新鮮でした」と感心する。「全国すべての女を敵に回すようなどうしようもない男なんだけど、ある意味、馬鹿正直な男なんです。そんなことまで言わなくても良いのにというところまで、不器用ながら一生懸命しゃべる姿はかわいらしかったし、愛すべきキャラクターだったと思います」。

嘘を題材にした映画だが、戸田自身、嘘をついたり、いたずらをしたりすることはあるのか?と聞いてみると「嘘は得意じゃないです」と苦笑い。

「言葉ではなく、突っつくようないたずらをするのは大好きなのですが。いまさっきも松坂さんが楽屋から出てきた時、私に全然気づいてなかったので、後ろから『わっ!』とおどかしたら『おお!何やってるんだ!?』と言われて。すごくびっくりしていました(笑)」

「でも、嘘はつけないというか、顔に出てしまいます。ただし、女優としてはつけますよ。だって、すべてが嘘ですから(笑)」と頼もしい笑顔を見せた。

最後に、戸田は本作について、「嘘がテーマになっている作品ですが、これだけ憎たらしい人たちがいっぱい出てきても、それぞれの個性が愛嬌になっていて、みんなが素晴らしいんです。個性が美しいんだということも教えてくれる作品なので、幅広い世代の人たちに見てほしいです」とアピール。

『エイプリルフールズ』では、いろんな嘘つきが登場するが、果たしてあゆみの口から語られるのは、嘘か誠か!? 戸田恵梨香演じるあゆみをはじめ、バラエティあふれるキャラクターたちが織りなすアンサンブルドラマを、じっくりと堪能してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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