元KARAの知英、再出発への力は「信じてくれる人」

インタビュー

元KARAの知英、再出発への力は「信じてくれる人」

2014年夏から日本で女優としての活動をスタートさせた元KARAの知英(ジヨン)。『映画 暗殺教室』でスクリーンデビューを果たし、このたび人気アニメの劇場版第19作目となる『名探偵コナン 業火の向日葵』(4月18日公開)では声優にチャレンジ。快進撃を続けている。

新たな一歩を踏み出す上で、力となってくれたものとは?知英を直撃し、当時を振り返ってもらった。

もともとコナンの大ファンだったという知英。「コナンが大好きです。韓国でもテレビでも放送されていたので、いつも見ていました。とにかくかっこいい!コナンのときはかわいいし、新一になると声が変わるのも面白いですね。どんなことがあっても、最後にはコナンがちゃんと解決する。頭、いいなあ!と思って見ていました」。

それだけに今回の大抜擢には「コナンくんの世界に入れるなんて、本当に光栄です」と大喜び。劇中では、コナンと怪盗キッドのライバル決戦の地となる美術館の案内キャストの声を演じている。絵柄も知英本人をイメージしてつくられたキャラクターだ。「私がコナンくんたちを案内できるなんて、本当にうれしかったです。キャラクターの絵は自分に似ていると思いました。大人っぽい私だなって思います」。

アフレコに挑戦できるほど、日本語が上達した。「どの現場にも通訳さんはいないんですよ」というように、ひとりでしっかりと日本語で受け答えをしている。上達ぶりに驚くがどのような勉強法をしているのだろうか。

「自分でわからないことがあったら、すぐに調べるようにしています。ドラマや映画を見て勉強したのが大きかったですね。見ていると、自分が使ったことのない新しい単語が出てくるので、『ああ、こういう言葉があるんだ』と本当に勉強になります」。お気に入りの映画は『ゼロの焦点』。日本語と女優業、どちらの勉強にもなるやり方で、楽しみながら学んでいるようだ。

アフレコには苦労もあったようで、「やっぱり難しかったです」と苦笑い。「日本語でアフレコをするのも初めて。お芝居をするときって、体や表情で表現ができるじゃないですか。でもアフレコだとアニメを見ながらタイミングも合わせなければいけないですし、自分が思っている以上に大きな声を出さなければいけなくて。声だけでもいろいろな表現ができるんだなということを知りました。とても勉強になって、またいつかやらせていただきたいなと思いました」。

コナンとキッドの関係にちなみ、ライバルを聞いてみると「自分ですね。くじけそうになったときも、自分がどう考えて生きるかによって、その先が決まる」とキッパリ。柔らかい微笑みとキラリと光る眼差しが魅力的な彼女だが、単身、日本へと渡り活動をスタートさせたことには、強い意志があった。大きな決断に不安はなかっただろうか?

「もちろん不安はありました。そんなに簡単な決断ではなかったんですけれど、やっぱり自分がやりたいことがあったから、それが一番。女優になりたいという気持ちが大きかったです」。

さらに背中を押してくれたのは、「みんなが信じてくれたこと」だという。「家族も友達もみんな信じてくれました。あなたは大丈夫、できるよって。すごく応援してくれたので、それが力になりました」。

次々と新たな扉を開いている。一歩を踏み出す上では、失敗を恐れないことを大事にしているそう。「失敗はそんなに落ち込んじゃダメだと思います。失敗したらまた次にがんばって、またよくなった姿を見せたい。たまには失敗してもいいんじゃないかな?そうすると次にもっとがんばれるという考え方です。とにかく、まずはやってみようと思うことが大事かなと思います」。

「アクションができるようになりたくて、練習をしています。型やキックの練習、立ち回りなど、難しいですがとても楽しい。アクションもできる女優になりたいです」と瞳を輝かせながら夢を語る。「アンジェリーナ・ジョリーとかスカーレット・ヨハンソンとか、かっこいい女優さんが好きで。強い女優さんに憧れます。今回の映画の蘭ちゃんもかっこよかったですね!」。

前向きに、ひたむきに。周囲への感謝を胸に、どこまでも駆け上がっていきそうな知英。まずは迫力たっぷりの芸術ミステリーに仕上がった本作で、知英の新たなチャレンジを見届けてみては。【取材・文/成田おり枝】

知英
1994年1月18日生まれ。韓国出身。KARAのメンバーとして活躍後
日本を中心に本格的に女優活動をスタート。2014年ドラマ『地獄先生ぬ~べ~』ではヒロインゆきめを演じ注目される。
2015年3月21日公開映画『暗殺教室』ではイリーナ・イェラビッチ役で出演。

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