シマリスの生態を捉えた映像に野生動物のプロも驚き!
優れたネイチャードキュメンタリーを数多く生み出してきたイギリスのBBSアースが、ピクサー・スタジオと初タッグを組んだ『小さな世界はワンダーランド』(5月9日公開)。4月23日、本作を手掛けたマーク・ブラウンロウ監督が、Apple Store 銀座店で開催された「Meet the Filmmaker」に登場し、製作秘話と最先端の撮影技術を語った。
「Meet The Filmmaker」とは、これまでにもメリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームズ・キャメロン監督など大物ゲストに迎えてきたトークイベント。この日はブラウンロウ監督とともに野生動物のスペシャリストである新宅広二氏が登壇した。
可愛らしいシマリスとスコーピオンマウスの成長を追った本作。彼らのミニマムな世界を映像化するにあたり、監督は「この2匹を撮ろうと決めたとき、彼らの視線に合わせて撮ることのできるレンズの開発や、彼らにカメラに慣れてもらうことが問題になった」と技術的な課題があったと明かした。
さらに、「本作の見せ場であるシマリス同士のバトルを撮るのは難しかった」と撮影は難航した様子で、「事前にクライマックスはシマリス同士の対決と決めていたので、その瞬間が来るのをずっと待っていたんです」と辛抱強くチャンスを待ったようだ。
その努力もあってか、「1秒に120コマで撮影できるカメラを使って、シマリスがどんぐりをほおばったり、どんぐりを回しながら食べる姿を撮れた」と、世界最先端の撮影技術で新宅氏も見たことがないような超レアショットの数々を記録できたようだ。
あらゆる動物を撮り続けてきたブラウンロウ監督だが、新宅氏から「好きな動物何ですか?」と質問されると、「子どものころはアマガエルを家に持ち帰って、寝室で飼っていたよ。両親に可愛そうな思いをさせてしまった(笑)」というビックリ発言で会場をざわつかせる場面も。
これに対して新宅が「日本にはたくさん両生類が生息していますよ」とアドバイスすると、「じつは日本でオオサンショウウオが見るのが楽しみなんだ!」と両生類に対する愛を告白した。
終始和やかなムードに包まれて進行したトークイベントの最後に、新宅氏がサメ好きの監督に鯉のぼりをプレゼント。ご満悦の表情で監督が感謝を述べ、イベントは幕を閉じた。【取材・文/トライワークス】