長谷川博己が語る「激しい愛」とは?人生の転機も告白
園子温監督が愛をテーマに描くオリジナル映画『ラブ&ピース』(6月27日公開)のジャパンプレミアイベントが新宿明治安田生命ホールで開催され、長谷川博己、麻生久美子、西田敏行、園監督が登壇。長谷川が「人生を変えてくれた人」としてスティーヴン・スピルバーグ、「激しい愛をくれた人」として園監督の名前を挙げた。
本作は、うだつの上がらないサラリーマンの人生が、一匹のミドリガメとの出会いを機に変わっていく姿を映す物語。脚本は、園監督がまだ無名の若者だった25年前に書き上げたものだという。長谷川は「大好きな園監督の作品で主演を務めさせていただきました」、園監督も「25年前に書いた台本がやっとお届けできる。喜びで胸がいっぱい」と感無量の面持ちを見せた。
うだつの上がらない青年が変化していく姿を演じた長谷川は、完成作の感想として「ちょっとやり過ぎちゃったなという、後悔があった」と自分の思い切った演技について苦笑い。園監督は首を横に振りながら、「今までにない長谷川くん。殻を破り過ぎというくらい、何枚も破っている。ものの1秒で破り捨てた。すさまじい演技です」と長谷川の演技を絶賛していた。
また、『ラブ&ピース』というタイトルにちなみ、自分の人生において転機となった“ピース”を聞かれた一同。長谷川は「スティーヴン・スピルバーグ」と回答。「3歳のときに見た、(スピルバーグ監督の)『レイダース 失われた聖櫃<アーク>』(81)があまりにも衝撃的で。トラウマになるくらい怖くて、ずっと覚えている。それがなかったら、今こういう仕事をしていない」とじっくりと話していた。
続いて、「激しい愛を感じた経験」についての質問も飛んだが、長谷川は「園監督」と告白。「厳しくしてくれる。厳しいことを言ってくれるのは、愛情だなと思っています」と明かすと、園監督は照れくさそうな表情を浮かべていた。
最後には園監督が「初めて子どもも楽しめる映画をつくった。家族連れで楽しめて、最後には笑って泣ける映画になっています」と胸を張り、「それこそ3歳くらいの子どもさんに、いい意味でのトラウマを与える映画になったと思う」とニッコリ。大盛況の舞台挨拶を締めくくった。【取材・文/成田おり枝】