染谷将太&広瀬すず、細田守ワールドに感動!

インタビュー

染谷将太&広瀬すず、細田守ワールドに感動!

破竹の勢いで人気を獲得する若手俳優、染谷将太と広瀬すず。細田守監督の最新作『バケモノの子』(7月11日公開)で声優を務める2人は、オファー以前から細田監督作品を慣れ親しんでいたという。特に染谷は、「『劇場版デジモンアドベンチャー』(00)から細田監督の作品は見続けています」と声に熱がこもる。

「当時は子供だったので、監督のことは認識してなかったと思いますが。でも『時をかける少女』(06)以降もぜんぶ見ています。『おおかみこどもの雨と雪』(12)で少しだけ出演させていただいたんですが、今度は主人公として、映画にしっかり絡ませていただいて、細田ファンとしても役者としても本当にうれしいです」。

染谷が先生の声を担当した前作『おおかみこどもの雨と雪』を、友達と一緒に見たという広瀬は「現代が舞台なのにファンタジー要素に包まれていて、先の展開が読めないドラマにずっとドキドキしっぱなしでした」と当時の感動を語る。

『バケモノの子』の主な舞台は、バケモノたちの暮らす異世界の街“渋天街”と、私たちが暮らす人間界の渋谷。2人とも、このなじみ深い街に、よく「忍ばずに訪れている」と笑う。「渋谷で打合わせすることもあるので、よく歩いてますよ。僕もですけど、広瀬さんも渋谷を普通に歩いてるんですよね?変装することもなく(笑)」と染谷が尋ねると、「メガネをかけたりはしますけど、気付かれないですね(笑)。最近は映画を見に行って、カメラが好きなのでそういうお店に寄ったり、お洋服店を何件も見に行ったり……とにかく歩き回っています」と広瀬。

本作で染谷が演じるのは、暴れん坊のバケモノ・熊徹(声:役所広司)に鍛えられた17歳の青年・九太。彼が渋谷で出会う高校生・楓を広瀬が演じる。メインキャラクターの声優経験は初めての2人。普段の芝居と全く違う状況に慣れるのに時間がかかったようだ。「すでに出来ている絵に対して自分が感情移入する、声で感情を吹き込むのは、思っていた以上に難しかったです」という広瀬。染谷もうなづき「声だけで感情を吹き込むのは、映画のアフレコともまた少し違っていて、難しいけど楽しくて、勉強になりました」という。

作中では時間経過に合わせて2006年と15年の2つの渋谷が描かれる。街の変化も細密に再現されている映像を見た2人は、本作を「いまの渋谷を切り取った映画」と表現するほど、クオリティに圧倒されたと語る。「本当に、実写を見ているような感覚で背景の渋谷の街並みを見ていました。見慣れた風景の中で非日常なことが行われているので、鳥肌が立ちっぱなしです」という染谷の言葉に、広瀬も同調する。「人の多さも渋谷らしいところだし、楓が九太と一緒に行動するのは渋谷近辺なので、『あれはここで……』みたいなことを常に考えながらアフレコしていました」。

細田作品といえば家族や人間関係をテーマにしたハートフル・ストーリーが特に人気。もちろん『バケモノの子』の見どころも、家族や人間関係だ。「九太と楓の関係もありますし、熊徹と九太の家族にも似た関係もあって、楽しみ方がひとつじゃないんです」と魅力を語る染谷。広瀬も「九太と熊徹の、本当の親子じゃないけど家族みたいな温かい関係を築いているところが、すごく好きです。2人がみんなに支えられて成長していく姿も、見ていてかっこいいです!」と絶賛。

細田ワールド未体験の人も、すでにどっぷり浸かっている人も「ハンカチを片手に持って見て欲しい」という広瀬に、染谷も大きく頷く。素晴らしい作品に仕上がったようだ。【取材・文/リワークス】

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