トリンドルが血みどろで演じた“ミツコ”の幸薄感がヤバイ!
全国のJK=女子高生が惨殺されるデスゲームが展開する、園子温監督の映画『リアル鬼ごっこ』(7月11日公開)。本作でトリンドル玲奈が演じている「ミツコ」が、園監督作品において超“いわくつき”の女性キャラクターだということをご存知だろうか?
今回トリンドルが扮した「ミツコ」は、過去の園監督作にたびたび登場している役名で、その都度、劇中で散々な目に遭わされているキャラクターだ。例えば、『自殺サークル』(01)では恋人が自殺、『Strange Circus 奇妙なサーカス』(05)では両親から虐待を受け、『気球クラブ、その後』(06)では恋人が交通事故で他界するなど、とにかく幸が薄い。
さらに、『冷たい熱帯魚』(10)では父親が殺人を犯し、『恋の罪』(11)では母親からナイフで刺されるなど、逆に面白いくらい(!?)に壮絶な人生を歩んでいるのだ。そして、本作の「ミツコ」も例によって、“正体不明の鬼からむちゃくちゃ追われる”という、悲惨な状況下に置かれている。
ある日突然、全国の女子高生たちの命が狙われるという不条理な“鬼ごっこ”がスタートし、そこに巻き込まれたミツコ。平和な日常から突如クラスメイトの返り血を浴びる阿鼻叫喚の地獄絵図に戸惑い、絶叫するも、姿の見えない“何か”は彼女を切り裂こうと襲ってくる。ミツコは無残な死体の山を前に、怯え、泣き、グロテスクな世界を宛もなく逃走してゆくのだ。
そんな、歴代の「ミツコ」に負けず劣らずの壮絶な運命を背負わされたヒロインを、“幸薄感ゼロ”のトリンドル玲奈が好演している。血みどろの制服姿で叫び声をあげたり、大粒の涙を流したりと、全身全霊でミツコを体現。異色とも言えるキャスティングだが、普段の可愛らしいイメージを覆し、迫真の演技を披露したといっていい。
踏んだり蹴ったりの人生を送る、園監督が生み出す「ミツコ」。本作ではいかなる道を辿るのか…?「ミツコ」の動向に注目してみるのも1つの楽しみではないだろうか。【トライワークス】