匂い立つ色香!二階堂ふみが魅せるオンナの顔
若手演技派として知られ、役によってさまざまな顔を見せてくれる女優・二階堂ふみ。『私の男』('13)で美しい裸体を披露し話題を呼んだ彼女が、『この国の空』(8月8日公開)でも独特の色香を醸し出している。
舞台は終戦間近の東京。二階堂が演じる19歳の少女・里子は、日々、激しくなるアメリカ軍の空襲を恐れながら、このまま男性を知らずに死んでいく事への不安を抱いている…という役どころ。そんな彼女は、妻子を田舎に疎開させている隣人・市毛(長谷川博己)の身の回りの世話をするうちに、彼への思いを募らせ、自分の中の“女”の部分を目覚めさせていく。
市毛の留守中、敷いたままの布団に寝転がって妄想をふくらませたりと、彼への想いはどんどんエスカレート。深夜、家を訪ねた里子は、遂に市毛と関係を持ってしまう。谷崎潤一郎賞受賞の文芸作が原作ということもあり、劇中では肌の露出こそ少ないが、里子の内なる悶々とした感情が強くなっていく様がなんともエロティックなのだ。
この9月で21歳となる二階堂ふみ。非道徳的な恋に落ちる本作のヒロイン役で見せた新境地が、彼女の女優としてのレベルをさらに高めていくはずだ。【トライワークス】
作品情報へ