花澤香菜が『屍者の帝国』意外な見どころを伝授。「気になります!」
アニメ映画『屍者の帝国』の初日舞台挨拶が10月2日にお台場シネマメディアージュで開催され、声優の細谷佳正、村瀬歩、花澤香菜、楠大典、山下大輝、三木眞一郎、牧原亮太郎監督が登壇。花澤が「気になります!」と意外な見どころを明かし、会場の笑いを誘った。
本作は、2009年に34歳で亡くなった小説家・伊藤計劃の作品を劇場映画化する“Project Itoh”の第1弾。伊藤が遺した未完の原稿を円城塔が書き継いで完成させた長編を原作に、死体蘇生技術が発達した19世紀末で起きるドラマを描く。
ワトソン役の細谷は「伊藤先生の文章を引き継いだという円城先生の話を聞いてから本作を改めて観ると、円城先生がワトソンで伊藤先生がフライデーに見えてきて」と口火を切り、「ワトソンが『君の言葉の続きが聞きたかった』というのが切ないなと感じた」とじっくりとコメント。「原作の背景を知ってから、改めて見直すとたくさんの発見がある映画」と力強く語った。そして「製作の佳境のとき、自分も34歳だった。伊藤さんの存在を大きく感じながら作っていた」という牧原監督も「円城さんが引き継いだ核のようなものを映像にできたのでは」と作品への思いを明かしていた。
ネタバレ厳禁となる作品だけに、キャスト陣も見どころを話すのに四苦八苦していたが、花澤は「山澤さんの眉毛が気になります!」とキッパリ。「眉毛の表現がとっても素晴らしくて、釘付けになってしまいました」と劇中キャラクター・山澤静吾の眉毛について語って会場を笑わせながら、「原作の膨大な情報量を2時間のアニメにするのは相当、大変だったと思う。完成作を観ると本当によく物語ができていて、感動しました」と牧原監督の手腕に惚れ惚れとしていた。
また、“Project Itoh”の第2弾として11月13日からの公開を予定していた『虐殺器官』を手がけていたアニメ制作会社マングローブが破産申請の準備に入ったことが明らかとなり、この日は司会を務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサーによって「『虐殺器官』につきましては、制作体制の見直しのため公開を延期させていただくことになりました。本作を心待ちにしてくださっていたみなさま、大変申し訳ございません」と公開延期に関する製作委員会からのコメントが読み上げられた。新たな公開時期は決まっていないそうだが、吉田アナウンサーも「福山雅治の結婚よりびっくりした!」と驚きを隠せなかった。【取材・文/成田おり枝】