スピルバーグが最新作の撮影エピソードを明かす特別映像が到着
イーサン&ジョエル・コーエン兄弟が脚本を手がけ、スティーヴン・スピルバーグ監督×トム・ハンクス主演というハリウッドを代表する黄金コンビが4度目のタッグを組んだ話題作『ブリッジ・オブ・スパイ』(16年1月8日公開)。本作の時代背景や、キャストたちについてスピルバーグ監督が裏話を明かす特別映像が到着した。
アメリカとソ連が一触即発の冷戦状態にあった1950年~60年代を舞台に、実在のアメリカ人弁護士ジェームズ・ドノヴァンの過酷な闘いを描いた感動作である本作。アメリカに逮捕されたソ連のスパイ、ルドルフ・アベルの弁護を引き受けることになったドノヴァンは、核戦争を恐れる周囲から「敵の味方をするのか」と非難されながらも「誰でも弁護される権利がある」という信念のもと奔走。そして、それをきっかけにソ連に捕らえられたアメリカ人パイロットとアベルの身柄交換の交渉役を任され、緊迫した情勢下にある敵地の東ベルリンで命がけで孤軍奮闘することになる。
公開された映像では、冷戦下のソ連に行ったことがあるという父親の話に触れ、本作でも描かれているU2偵察機の撃墜について言及するスピルバーグ監督。「父から話を聞いて以来、事件のことが頭から離れなくなった」とも語り、本作への想いを垣間見せている。
また、トム・ハンクスについては「トムと私は長年の関係だから互いを知り尽くしているんだ」と語り、「ただでさえ創造性が豊かなのに、さらなる独自性を常に求め、彼の何にでも挑戦する姿勢が本当に素晴らしい。4度目のタッグともなるとあうんの呼吸で楽勝だったよ」と、ベタ褒め。互いの信頼度がよく伝わってくる。
さらに本作で最も注目してほしいのが、ハンクス演じる弁護士ジェームズ・ドノヴァンが弁護を担当するソ連のスパイ、ルドルフ・アベル役を演じた英国の名舞台俳優マーク・ライランスの存在感だ。先日発表されたニューヨーク映画批評家協会賞助演男優賞を受賞し、早くもアカデミー賞助演男優賞の最有力候補であると言われているが、映像でスピルバーグは彼について「トニー賞に3度も輝いた舞台俳優で、演技を一目見て非凡な才能の持ち主だと分かったよ。『十二夜』での演技を見てさらに確信したから声を掛けたんだ」と、コメント。才能を実際に目の当たりにしたことが今回の配役へ繋がったことを明かしている。
「ドイツ・アメリカ・ロシアから最高のキャストが揃った」とスピルバーグが自負するように、役者たちの緊張感あふれる名演が見ものの本作。オスカーにはどのように絡んでくるのか?今後の賞レースの行方が非常に楽しみだ。【Movie Walker】